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2019年バックナンバー

雑記帳

外食業と軽減税率

 日本マクドナルドは令和元年9月10日、令和元年10月から持ち帰りと店内飲食の税込み価格をそろえると発表しました。
 
 消費税の引き上げで店内飲食は10%、持帰りには軽減税率で8%の税率が適用されます。
 
 「マクドナルド」では7割の商品で税込み価格を据え置き、3割の商品の税込み価格を10円上げます。
 
 10円単位の価格設定を維持しながら、店頭作業や消費者の混乱を避ける目的があります。
 
 外食業と軽減税率には、大きく2つの方針がとられています。
 
 店内飲食とテークアウエーが同一価格
 マクドナルド、すき家、松屋
 
 店内飲食とテークアウエーが異なる価格
  モスバーガー、スターバックスコーヒー
 マクドナルドは、ドイツと同じ方式をとりました
 
 令和元年10月に消費税が10%に引上げられる予定です。

 あわせ、食品等について、8%のまま据置かれます。
 
 「外食」については「食品衛生法で規定される飲食店などが、その場で飲食させるため、テーブルやいすなどを設置した場所で食事を提供すること」と定義し、「加工食品」と区別することを決めました。
 
 具体的には、牛丼店やハンバーガー店の店内で飲食する場合は「外食」に当たり、軽減税率は適用されませんが、商品を持ち帰ると「加工食品」として軽減税率の対象になります。また、そばの出前やピザの宅配は「加工食品」となるということです。
 
 マクドナルドで、ハンバーガーを持ち帰りますといって袋に入れてもらえば8%、店内で食べますといってトレーに乗せてもらえば10%という理屈です。
 
 持ち帰りますといって袋に入れてもらい、店内で食べれば、10%のはずの税率が8%になり「お得」ということになります。
 
 たった2%、つまり、本体価格500円で10円のために、そこまでする人がいるかどうかはわかりません。
 
 実際は、店内で食べても持ちかえっても、消費税込みの金額は同じで、店内で食べるほうが持ちかえるより、本体価格を2%程度安くすることになると思います。
 
 消費税には、所得の低い人の負担割合が多くなる「逆進性」という問題がついて回わります。
 
 「逆進性」解消の手段としては、大きく分けて、「軽減税率」を導入する、あるいは、「給付付き税額控除」を導入するという2つの方法があります。
 
 EU加盟各国では、消費税(付加価値税)について、「標準税率」と「軽減税率」の2種類(厳密にいえば、軽減税率を複数に分ける国もあるようです)を導入し、アルコールを除く飲食料品、医薬品、旅客輸送、書籍、新聞など生活に必要不可欠な物品やサービスについては「軽減税率」を適用し、その他は「ぜいたく品」として、「標準税率」を適用するようになっています。
 
 「標準税率」と「軽減税率」の区別は難しいですね。
 
 ドイツでは、レストランなどで食事をすると「標準税率」が適用され、スーパーなどで食料品を購入すると「軽減税率」が適用されます。現在、「標準税率」は19%、「軽減税率」は7%となっています。
 
 マクドナルドのハンバーガーは、店内で食べると、レストランなどで食事として「標準税率」19%、テイクアウト(テイクアウェー)にすると、食料品の購入として7%の「軽減税率」が適用されます。
 
 店内で食べるつもりであっても、テイクアウトにすると言って購入し、店内で食べてもわかりませんね。
 
 といいながら、30年前にドイツで居住していたときのことを考えると、店内で食べても、テイクアウトにしても代金はかわらなかった記憶があります。
 
  当時は、「標準税率」は13%、「軽減税率」は6.5%でした。
 
 ドイツでは、税率は異なっても、マクドナルドは、同じ値段で商品を提供するということになっているようです。
 
 客への売価=「ハンバーガー代」+「消費税率」が等しいということは、店内で食べるとした場合、安いハンバーガー代+高価な税額、テイクアウトにした場合、高いハンバーガー代+安価な税額ということになります。
 
 客の支払うお金は変わりません。
 
 客は、店内で食べるつもりであっても、テイクアウトにすると言って購入し、店内で食べるという必要もなさそうです。
 
 マクドナルドが、税務当局に支払う付加価値税が変わることになります。
 
 テイクアウト扱いにした方が、店内飲食扱いよりも、税金が低い=実入りが多いということになる計算となります。
 
 かといって、すべてを「テイクアウト扱い」にすると、税務当局が黙っていないでしょうね。
 
 実際どのようにしているのかはわかりません。
 
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