本文へ移動

2019年バックナンバー

雑記帳

ヨーロッパ州の観光業を直撃 イギリストーマス・クック破産

 イギリス老舗旅行会社トーマス・クック・グループは、令和元年9月23日、破産し、ただちに営業を停止しました。
 
 トーマス・クックは旅行会社だけでなく航空会社やホテルなども傘下に持っています。
 
 世界で抱える雇用は2万人を超えます。
 
 トーマス・クックの子会社でドイツの航空会社であるコンドル航空は令和元年9月24日、ドイツ政府や本社があるヘッセン州の政府との間で3億8000万ユーロのつなぎ融資で合意し、破綻を免れました。
 
 約5000人の従業員と数十万人の顧客を守る必要があると判断しました。
 
 コンドル航空は、私がドイツに留学して、昭和56年、スペイン旅行に行くとき利用しました。当時は、ルフトハンザの子会社で、機内食のフォークやスプーンはルフトハンザのものでした。
 
 イギリス国では国外に足止めされた15万人のために、政府はチャーター機を世界各地に派遣して旅行客を帰国させ、費用負担は1億ポンド(約133億円)にのぼりました。
 1ポンドが133円になっているのですね。
 私がドイツに留学して、はじめてイギリス旅行した昭和56年当時の1ポンドは400円でした。
 
 観光地にも影響を及ぼしています。
 
 観光大国のイタリアでは同社と連携する宿泊施設が多く、。ナポリの南にあるリゾート地のソレント半島ではホテルの予約キャンセルなどが大量に発生しました。
 ソレント半島だけで400万ユーロ(約4億7000万円)程度の損害を予測しています。
 
 ソレント半島は夏休みシーズンなどには外国人観光客の約4割をイギリス人旅行客が占めています。
 なお、取り残された旅行客の人数が大きくなったのは、ヨーロッパのバカンスの取り方にも関係してきます。
 
 ヨーロッパのバカンスは、南の陸や島に、4週間程度滞在して、なにもしないで過ごすというスタイルが多数です。
 
 日本のように、ヨーロッパでも8日間が標準的、台湾や韓国なら2泊3日というのとは根本的に異なります。
 
 4週間分の旅行客を送り出しているわけですから、取り残された旅行客も4週間分です。
 
 日本なら、近距離なら3日分、ヨーロッパでも8日分の旅行客が取り残されるということにすぎなかったはずです。
 
 トーマス・クックは団体旅行の元祖です。
 
 また、トーマス・クックはトラベラーズチェック(旅行者用小切手)を生み出したことでも知られています。
 
 ヨーロッパの鉄道の時刻表も有名ですね。
 
 私は、結構お世話になっています。
 
 個人によるインターネットでの旅行先の航空券やホテル予約は当たり前になりました。

 トラベラーズチェックは、もう新規の発行はなくなっています。
 鉄道のダイヤはアプリがあります。
 
 時間が流れました。
 ちなみに、中国の大手投資会社の復星集団が筆頭株主でしたが、援助はできなかったのでしょうね。
 
TOPへ戻る