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2018年バックナンバー

雑記帳

日本とEU間のEPA

 平成31年2月、日本と欧州連合(EU)の自由貿易協定である経済連携協定(EPA)が発効します。
 
 平成30年7月17日に締結されています。
 
 FTAというのは、Free Trade Agreementの略で、日本語では自由貿易協定と呼ばれます。国と国(または地域)のあいだで関税をなくして、モノやサービスの自由な貿易を進めることを目的とした協定のことです。
 
 EPA(Economic Partnership Agreement。経済連携協定)は、このFTAを基礎としながら、関税の撤廃だけではなく、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含め、さまざまな分野で経済上の連携を強化することを目的とした協定です。
 
 日本と欧州連合(EU)は、EPAにより、関税の撤廃だけではなく、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含め、さまざまな分野で経済上の連携を強化することになります。
 
 知的財産の保護や投資ルールをのめない中国などには無縁の協定で、対中国包囲網として効力を発する協定です。
 
 貿易関係だけを見ても、EPAにより、日本とEUの全貿易対象品目のうち95%ほどで関税が撤廃されることになります。
 
 日本とEUはこの日共同声明で、世界貿易機関(WTO)を中心にした多者間貿易体制の重要性を強調し、「保護主義と戦うだろう」と明らかにしました。
 
 EPAが批准され発効されれば、日本と29のEU加盟国(イギリス含む)が人口6億人、世界の国内総生産(GDP)の30%ほどを占める単一貿易圏を形成することになります。
 
 日本とEUのEPAは、日本政府がこれまで締結した通商協定では最大規模で、世界的に貿易不安が拡大している状況で日本企業に輸出の活路を用意できると期待されています。
 
 また、日本政府は昨年、EUとのEPAによる経済効果が日本のGDPを0.99%(約5兆2000億円)ほど増加させる効果があると試算しています。新規雇用創出効果も29万件に達する見通しです。
 
 特にEUとのEPAで日本の自動車産業輸出競争力が大きく高まると予想されています。
 自動車部品の90%以上が協定発効と同時に関税が撤廃されるためです。
 すぐにではありませんが、協定発効から7年後には自動車輸入関税も撤廃されます。
 
 なお、韓国の自動車や電機電子製品が、EU市場において、日本との相対的競争優位要素が消えることになります。
 
  韓国は、平成23年に、EUとの自由貿易協定(FTA)を締結しています。
 
 FTAにより、韓国の自動車や電機電子製品が、EU市場において、日本より有利な立場に立っていました。
 
 しかし、すぐにではないものの、日本とEUのEPAにより、自動車や電機電子製品について、EU市場で同じ条件で競争しなければならなくなります。
 
 日本と韓国が関税で同じ条件になれば、自動車や電機電子製品について、日本が優位となります。特に、自動車の場合、韓国車はEU市場から駆逐されかねません。
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