本文へ移動

2018年バックナンバー

雑記帳

国境と言語

 日本語というのは、日本語を日常使う人は基本的に日本国内のみに住み、逆に、日本に住んでいる人は基本的に日本語を日常使うという比較的珍しい国の一つです。

 

 ドイツ語をみてみましょう。

 

 ドイツ語を母語とする人は、何カ国に住んでいると思われますか。

 

 ドイツ、オーストリア、スイス(人口の6割がドイツ語を母語としています)、リヒテンシュタイン、ここらあたりまでは一般的に知られているところです。

 

 他に、ベルギーの一部(リエージュ州東部)、フランス(アルザス・ロレーヌ地方。ドイツ語読みでは、エルザス・ロートリンゲン地方)、イタリア(南チロル)に、ドイツ語を母語とする人が住んでいます。あと、チェコやハンガリーにも住んでいます。

 

  戦争で、ドイツ・オーストリアの領土が切取られた地方です。

 

 英語をみてみましょう。

 

 英語を母語とする人は、イギリスだけに住んでいるわけではありません。

 

 アメリカ、カナダ(フランス語圏あり)、オーストラリアなどの大国の他、中小国にも英語を母語とする人が住んでいます。
 イギリスの植民地だった地方ですね。

 

 その他スペイン語は、ブラジルを除く中南米諸国で母語として話されています。

 

 日本国内で、日本語以外の言葉はあまり聞きませんし(旅行者などは別です)、外国で日本語を聞くこともあまりありません(日本人の旅行者などは別です)。

 

 住民同士が、言語「戦争」をしている国がありますね。

 

 カナダは英語圏とフランス語圏の人たち、ベルギーはオランダ語圏(フラマン語圏)とフランス語圏(ワロン語圏)の人たちです。

 

 州の独立、国の分裂など、世論を二分するような、穏やかではない話です。

 

 その意味で、日本は「平和」ですね。
 日本語以外の言葉を「公用語」とする運動は、アイヌ語を公用語化にという運動は聞いたことがありますが、知らない人も多いでしょう。

 

 ちなみに、「スイス語」や「ベルギー語」があると思っていた人いませんか。

 

 ベルギーは先程述べた3ヶ国語、スイスは、ドイツ語、フランス語、イタリア語、あと、レトロマンシュ語が話されています。

 

 ちなみに、ベルギーの通貨は共通通貨ユーロです。

 

 しかし、スイスの通貨はスイスフラン(フランス語読み。ドイツ語ではSchweizer Franken=シュバイツァー・フランケン)などと呼ばれ、紙幣には4言語が併記されています。コインは、4言語とも「Fr」で始まりますから「Fr」とのみ記載されています(5フラン硬貨、2フラン硬貨、1フラン硬貨、1/2フラン硬貨)。100分の1フランは、ドイツ語では「Rappen」(ラッペン)、フランス語では「centime」(サンティーム)ですから、5、10、20と書かれた硬貨は、数字だけが記載されています。

 

 相当神経質になっていることがわかりますね。

TOPへ戻る