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2018年バックナンバー

雑記帳

ドイツ・バイエルン州の州議会選挙

 平成30年10月14日に、ドイツバイエルン州の州議会選挙が実施されます。

 

 ドイツの議会選挙は5年に1度ですから、前回は、平成25年(2013年)に実施されました。

 

 州議会選挙の結果が、法的に国政に関係がないかといいますと、そうではありません。

 

 連邦参議院は、州首相や州議会から選出されますし、ドイツの連邦参議院は地域代表で、一定の法案については、連邦参議院の決議がないと効力を持たないことがあり、日本の参議院より、はるかに小さい権限しか持ちませんが、イギリスの貴族院のような、お飾りに近いものではありません。

 

 連邦議会と連邦参議院がねじれると、政権運営が難しくなります。

 

 また、ドイツは中央集権国家ではなく、連邦国家で、州の権限は、アメリカほどではなにしても大きいです。その意味でも、州議会議員選挙は重要です。


 バイエルン州議会は1946年の再挙の以降ずっと、地元のCSU党(バイエルン・キリスト教社会同盟)の独占場であり、不動の位置を築いていました。

 

 具体的な数字を挙げると、戦後の州議会選挙のうち、単独過半数を失い、FDPとの連立をしたのが、2008年のみです。

 

 前回の2013年の選挙は、得票率が48.7%でしたが、得票率が5%に満たない政党は議席を持てませんから、議席数は単独過半数を得ました。

 

 全180議席のうち、CSUが102議席(前回92議席)、SPDが43議席(同39議席)、自由な有権者の党が18議席(同21議席)、緑の党17議席(同19議席)となりました。

 

 今回の州議会選挙の争点は、難民問題ですね。

 

 バイエルン州は、保守的な有権者が多く、姉妹党であるCDUのメルケル首相の難民政策に、反旗をひるがえしてきました。

 

 また、バイエルン州にとどまる難民も多く、保守層から強い反発があります。

 

 大衆迎合的政党AfD(「極右」と呼ばれることもありますが、政策は極右とまではいえないようです)が、議席を得るのは確実なのはもちろん、さらに大きく得票を伸ばすというのが大方の予想です。
 一貫して難民受入れに反対しているのが、AfDです。

 

 CSUが最大得票を得るでしょうが、緑の党が得票を伸ばし、AfDがSPDと接戦をするとの予想があります。

 

 ドイツの既成政党は、AfDと絶対連立を組みません。
  緑の党やAfDが大きな議席を得れば、過半数を確保するため、大連立を組まなければならない可能性があります。

 

 結果次第では、メルケル首相の進退にまで影響をしかねないとの話も出ています。

 

 CSUは、姉妹党であるメルケル首相率いるCDUとの連立解消をちらつかせて、メルケル首相おろしにかかる可能性がないともいなないからです。
 そもそもの、ドイツの難民問題はメルケル首相の責任です。

 

 CSUは、姉妹党であるメルケル首相率いるCDUに離反されると、国政レベルで過半数を割り、他党との連立しかなくなりますが、それ以前に、CDUとCSUが空中分解してしまうと収拾がとれなくなります。

 

 日本人は全く興味がなさそうですが・・・

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