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2018年バックナンバー

雑記帳

スイス銀行

 「スイス銀行」というのは実在するでしょうか

 

 ゴルゴ13の報酬は「スイス銀行への送金」が定番ですね。

 

 ちなみに、スイスの中央銀行・発券銀行はスイス国立銀行です。

 

 スイス連邦には4種の公用語があるため、ドイツ語では「Schweizerische Nationalbank」、フランス語では「Banque Nationale Suisse」、イタリア語では「Banca Nazionale Svizzera」、レト・ロマンシュ語では「Banca Naziunala Svizra」と呼ばれます。

 

  中央銀行・発券銀行なので、個人が口座を開設することはできません。

 

 「スイス銀行」という1つの銀行があるというわけではなく、スイスに本店所在地があるプライベート・バンク、あるいは、スイスに本店所在地がある銀行(UBS、クレディスイスなど)のプライベートバンク部門を総称して「スイス銀行」といいます。

 

 対象は、もちろん富裕層です。最低でも、邦貨換算3~5億円以上の金融資産保有者を対象にしている自然人・法人に対し、金融商品の提供や資産運用のアドバイスといった様々なサービスを提供することを主な仕事としています。

 

 スイスのプライベート・バンクは、金融資産の運用だけでなく、税金や相続、不動産投資などのコンサルティングなどが売り物です。

 

 また、スイスのプライベート・バンクを利用する際の大きなメリットとして、「匿名性」があげられます

 

 銀行は、投資家個人の名義ではなく、銀行の名で投資を行ないます。

 

 世界中どこで株式、債券、ファンドを買ったとしても、その真の所有者を知っているのは当該銀行の、ごく少数の担当者だけで、投資家の個人情報は、「銀行及び貯蓄銀行に関するスイス連邦法」に守られて外部には一切漏れないとされています。

 

 また、名義を伏せた「ナンバー・アカウント」(番号口座)の存在も、その特徴とされています。

 

 捜査機関の口座照会を拒むこともあり、指定暴力団山口組旧五菱会系のヤミ金融グループによるマネーローンダリングで有名になりましたね。

 

 もちろん、脱税の手助けをしていることもありえます。

 

 古くは、第二次世界大戦時には、ナチスの資産も流入し、その中には迫害したユダヤ人から没収した金なども預入れの対象となりました。

 

 ゴルゴ13が「スイス銀行」の「ナンバーアカウント」を指定するのも、本人確認により身元がばれるのを恐れてのことでしょう。所得税は、最初から納付する意思はないでしょうね。

 

 もっとも、ゴルゴ13のように、あれだけ有名になってしまえば、匿名性は意味がないかも知れません。

 

 そういえば、JTBなど「スイス・プライベートバンク視察ツアー」を企画・募集しています。

 

 視察ツアーなどに参加しては「面がわれる」と思うのですが、邦貨5000万円程度の「敷居の低い」「お手軽な」プライベート・バンクを回るそうです。

 

 サブプライム問題に端を発した、世界同時不況のため、スイス・プライベートバンクの上顧客が、大きな損失をこうむっているでしょう。

 

 

 平成21年、UBSやクレディスイスが大損害を受け、UBSに至っては、強制転換証券の購入という方法により、スイス連邦政府がUBSに、60億スイスフラン(平成30年3月現在のレートで6800億円)の資本を注入したくらいですから。

 

 個人の顧客は、匿名ですから、誰が、どのような損失を受けたかどうかはわかりません。

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