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2018年バックナンバー

雑記帳

政府の情報収集衛星光学6号機打上げ・北朝鮮の軍事施設を監視

 平成30年2月27日、政府の情報収集衛星光学6号機を搭載したH2Aロケット38号機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターで打上げられました。

 

 H2Aは32回連続の打ち上げ成功となり、成功率は97・3%に向上しました。

 

 その昔は、ロケット打上げが成功するか失敗するかニュースになっていましたが、現在はニュースにもなりませんね。

 ロケット打上げは、アメリカでもヨーロッパでも、結構、失敗はあります。

 

 今回打上げたのは、情報衛星である光学衛星6号機です。設計寿命を過ぎて運用中の光学4号機の後継機となります。

 

 情報収集衛星とは、日本以外の国では偵察衛星と呼ばれているもので、他国の軍事関連施設などを監視する事実上の偵察衛星です。

 

 デジタルカメラと同じ仕組みの「光学衛星」と、夜間や雨天でも地上の様子が分かる「レーダー衛星」があります。

 

 光学衛星はデジタルカメラのようなセンサーを搭載し、日中の晴天時に地上を撮影します。
 レーダー衛星は、夜間でも、また、雲があっても地上を撮影できます。

 

 ちなみに、「光学衛星」よりも「レーダー衛星」が解像度が悪くなります。

 

 今回の光学衛星は、識別可能な物体の大きさを示す解像度は、安全保障上の観点から国家秘密ですが、約30センチと推測されていて、約60センチとされる4号機の2倍に向上したとされています。

 

 なお、アメリカの偵察衛星の解像度は、もちろん国家秘密ですが(公表するときは、わざと解像度を落とします)、少なくとも約20センチに達しているとされています。

 

 情報収集衛星は光学衛星と、夜間や曇りでも撮影できるレーダー衛星の各2基がそろうと、地上のどこでも1日1回撮影できる本格運用が可能になります。

 

 現在は光学2基、レーダー4基の計6基が稼働しています。

 

 近年は北朝鮮情勢の緊迫化に伴い、ミサイル関連など北の軍事施設の撮影回数が急増しています。

 

 政府関係者は「最近はフル活用している」としています。

 

 政府は、将来的には、情勢をより迅速に把握するため光学、レーダー衛星を各4基とし、画像データを中継する衛星2基も含め計10基体制の構築を目指しています。

 

 実現すれば撮影頻度は半日に1回程度に増えます。
 ただ、相当先になりそうです。

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