本文へ移動

2018年バックナンバー

雑記帳

パリティービット

 法廷で、次回期日を決めるとします。
 
 裁判官は、〇月〇日〇曜日午後1時30分と、ほぼ100%いいます。
 私が裁判官の時は必ずいっていました。
 
 〇月〇日で、日は特定できます。まさか1年以上先の期日は定めません。
 つまり、〇曜日は余分な情報です。
 
 しかし、〇曜日はつけます。
 なぜでしょうか。
 
 書面でのやりとりではなく、法廷ですから口頭です。
 言い間違いや聞き間違いはあります。
 それを避けるためです。
 
 月を間違えることが起こります。
 日も間違えることもあります。「1」か「7」と聞き間違えやすいです。普通「7」の方を「しち」ではなく「なな」と言うことが多いです。
 
 なぜ、余分で冗長な「〇曜日」をいれるのでしょうか。
 
  〇月〇日といわれただけでは、月と日を間違えることもありますが、〇月〇日〇曜日といえば、訟廷日誌と照らし合わせて、月が間違っていたり、日が間違っていたり勘違いしていることに気づくことができます。
 
 データ通信では、パリティビット(parity bit)を加えることが多いです。
 
 パリティビット(parity bit)とは、データ通信やファイル圧縮などにおける誤り検出に用いられるパリティチェック(parity check)のために、元のデータに一定の割合で付加されるデータのことです。
 
 情報を送る際に、ノイズが入ったりすることにより、送信者が送った信号が受信者に正しく伝わらないことがあります。
 
 そこで、送信者があらかじめ冗長な情報を付加することによって、ある程度なら間違いを検出(誤り検出)したり、訂正(誤り訂正)したりすることができます。
 
 コンピュータの場合、一定の長さのビット列(例えば1バイト=8ビット)の中に含まれる「1」の個数の偶数奇数がパリティビットです。
 
 誤ったデータが送られた場合、パリティービットがなければ、誤りが誤りのままになってしまいますが、パリティービットがあれば、1個だけ「0」「1」のデータに誤りがあれば、このデータには誤りがあるとわかります。
 
 1バイトの合計が偶数のはずなのに奇数になっていたら、そのバイトは誤りということがわかります。
 
 誤りがあることがわかれば訂正できます。
 
 法廷での曜日を含めて期日を言うやり方も、コンピュータの場合にパリティービットを加えるのと同じ考えです。
 
 わざと冗長なデータを加えて、誤りに気づくようにするのです。
 
 ただし、閏年ではない年の2月と3月は、日と曜日が同じです。
 
 曜日を入れても、2月と3月の間違いには気づきません。
 
 私は、2、3年に1度はミスをしますね。
 
  平成30年も、2月28日と3月28日を間違えて、ダブルブッキングをしてしまいました。
 
TOPへ戻る