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2018年バックナンバー

雑記帳

韓国の気象衛星

 韓国の天気予報に活用されてきた韓国の気象衛星「千里眼1号」が、平昌オリンピック期間中に、故障したそうです。
 
 韓国の東亜日報は、平成30年2月13日、「韓国が開発した最初の静止軌道衛星『千里眼1号』が2日以上作動してないことが明らかになった」とし「障害で一日以上も衛星映像を受信できないのは平成22年の打ち上げ以来初めてであり、日本側の衛星映像を活用している」と伝えました。
 
  東亜日報の報道によりますと、平成30年2月13日午前5時44分ごろ「千里眼1号」のメインコンピューターが突然故障したそうです。
 関係者は「電子装備が長期間にわたり宇宙放射線を浴びたうえ、老朽化して問題が発生したようだ」と話しています。
 
 韓国は、平成22年6月に、気象衛星「千里眼1号」を打上げて静止軌道に乗せました。
 
 気象衛星「千里眼1号」の製造はEADS アストリアム(本社・パリ)が行い、「Eurostar-3000S衛星バス」を基本としています。
 
 打上げは、アリアンスペース(本社・フランス エヴリー)により、ギアナ宇宙センターからなされました。
ヨーロッパの技術により製造され、打上げられた気象衛星です。
 
 衛星の設計寿命は10年ですが、ミッション期間は7年を予定していました。
 
 平成29年6月で使命を終えるはずでしたが、平成30年10月に「千里眼2号」が1号の代わりに打上げられる予定までは利用することになっていました。
 
 千里眼1号から映像を受けて天気予報に活用してきた韓国気象庁は、「千里眼1号」の故障のため、日本の衛星映像を受信して天気予報をしています。
 
 平昌オリンピック期間であるため天気予報の重要性は大きいのですが、政府関係者は「よりによって平昌五輪が開かれる重要な時期に故障し、日本の衛星映像を借りて使うことになるとはあきれる」と話したそうです。
 
 なお、アジアで気象衛星を打上げているのは日本と韓国くらいです。中国は、偵察衛星は打上げていますが、気象衛星は打上げていません。
 
 韓国としては「気象情報日本に頼らず」というのが一番の意義なのかもしれません。
 
 センチネル・アジア(Sentinel Asia)という組織が平成18年に発足して、気象衛星や地上観測衛星のデータを加盟国で共有することになっていて、「ひまわり」のデータは、無償で、中国・韓国を含むアジアの国のほかに、ASEAN諸国、オーストラリアも日本の気象衛星データを使っています。
 
 韓国の気象衛星が故障しても、日本の「ひまわり」の情報があるので、問題はないのですが「よりによってオリンピック開催期間中に」ということですね。

 なお、韓国には、偵察衛星がなく、2021年から打上げの予定だそうです。
 
 韓国は、平成29年、ミサイル発射の兆候や、発射の瞬間を捉える偵察衛星について、イスラエル、ドイツ、フランスなどに、偵察衛星のレンタルを申込んだのですが、いずれも「貸せない」という通知が届いたそうです。
 
 なお、日本は、情報収集衛星(「偵察衛星」とは呼びません)について、平成13年から、光学機は5号機まで、レーダー機も5号機まで打上げていて、旧型は運用を停止し、現在、光学機は4、5号機、レーダー機は3、4、5号機と予備機が運用されています。
 
 ただ、やはりアメリカの偵察衛星の方が優秀で、「Jアラート」でミサイルの飛翔が通知されたとき、この発射を最も早く探知できるのは米国の偵察衛星だそうです。
 
 アメリカの偵察衛星は、ミサイル発射時の炎や熱を衛星が感知し、米軍システムから日本海を航海するイージス艦や米海軍太平洋司令部、日本政府や自衛隊などに通知されます。
 
 韓国には、アメリカの偵察衛星や、日本の情報収集衛星に該当する衛星は、韓国にはありません。
 
 全くの「他力本願」です。
 危機から目を背けてきたツケの支払いを韓国は迫られています。
 
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