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2018年バックナンバー

雑記帳

書類送検

 元横綱日馬富士(本名・ダワーニャム・ビャンバドルジ)が、貴ノ岩に暴行しけがを負わせたとされる問題で、鳥取県警は、平成29年12月11、日馬富士を傷害容疑で書類送検しました。

 

 そして、鳥取区検は日馬富士を略式起訴し、鳥取簡裁は平成30年1月4日、日馬富士に罰金50万円の略式命令を出しました。

 

 「書類送検」と聞いて、なぜ、逮捕されないのかと不思議に思う人もいるようです。

 

 逮捕状が出る事案ではありません。

 

 嫌疑の相当性(刑事訴訟法199条1項本文)はありますが、逮捕の必要性(刑事訴訟法199条2項但書、刑事訴訟法規則143条の2)はありません。

 逃亡の恐れはありませんし、証拠隠滅の恐れもありません。
 証拠隠滅の恐れですが、口裏合わせをするなど、全くないとはいえないでしょうが、逮捕を必要とする程ではないでしょう。

 

 一般に、新聞などを読んでいると、身柄つき送検(逮捕のうえ送検)が多いように思われるかも知れませんが、逮捕されるほどの大事件が報道されますから、そう錯覚するだけです。

 日馬富士や政治家や芸能人でないと、単なる傷害罪で、新聞やテレビで報道されません。

 

 略式命令は多いです。

 

 最高裁刑事局「平成26年における刑事事件の概況最近の統計」によれば、第1審における有罪率は、有罪・無罪の人員を対比する算定方法によりますと、約99.9%に達しています。これは、略式命令が含まれた数字です。

 

 ただ、略式命令は、略式命令手続きによることについて、被疑者の同意がないとできません。無罪を主張しているなら、公判請求となります。

 

 もっとも、略式命令等を除いた第1審における有罪率も、約99.8%の高い率を示しています。

 

 平成30年1月21日、大相撲の十両・大砂嵐が、初場所前の今月初め、長野県で無免許で車を運転し追突事故を起こしていたことがわかりました。

 

 長野県警は今後、大砂嵐を道路交通法違反の疑いで書類送検する方針です。

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