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2018年バックナンバー

雑記帳

JR東海在来線運転席にタブレット、無線やりとり減へ

 JR東海は、平成29年3月末までに、全ての在来線の運転席にタブレット端末を配備します。

 到着ホームの変更時などに運転指令と運転士の間の無線のやりとりを減らし、文字情報で確実に伝えられると目的です。

 

 到着ホームや発車時刻を変更する場合、現在は運転指令が無線で指示を出し、運転士は内容をメモして復唱します。

 

 タブレット導入後は、運転指令の指示は画面に表示され、受信音が鳴ります。

 運転士は駅で停車後に内容を確認し、無線で復唱する運用になります。


 無線での指示やメモの時間が減らせるほか、運転指令は複数の運転士に一斉に指示を出せるようになります。


 また、伝達内容は正確に伝わります。

 

 このほか、タブレット端末のGPS機能を活用し、速度規制区間に近づくと画面表示と音で運転士に知らせ、また、津波発生時には避難ルートも表示するそうです

 

 電車の運転手は手袋をしていて、どのようにタブレットを操作するのだろうと考えられる方があるかも知れません。

 ご心配なく。

 運転士の手袋は、タブレット端末の画面に反応するものに取換えるそうです。

 

  なお、列車のタブレットといえば、単線区間での丸い鉄の輪でした。

 

 

 

 タブレット

 平成28年2月9日午前6時50分(日本時間同午後2時50分)ころ、ドイツ・バイエルン州バート・アイブリング近郊で、地元私鉄が運行するローカル線の電車同士が正面衝突し、先頭車両が大破、一部が脱線して、10人が死亡し、81人が負傷、少なくとも1人が行方不明になっています。
 

 電車は時速約100キロで走っていた可能性があるそうです。

 日本で単線区間というと、田舎路線で、電車が各駅停車でゆっくりと走っているというイメージがありますが、ドイツやスイスなど、単線区間でも、日本の在来線特急なみのスピードで走っています。

 双方が100キロで走行していれば、衝突は壁に200キロで衝突したのと同じです。

  大惨事となります。

 

 「よく事故にならないな」と思っていたのですが、やはり、大事故になりました。


  日本で単線区間というと、田舎路線で、電車が各駅停車でゆっくりと走っているというイメージですね。

 

 和歌山電鐵貴志川線という路線があります。

  「たま駅長」人気で、日本からはもちろん、アジア人旅行客が訪れる電車として有名です。
  たま駅長は死亡して、社葬されました。
  後継のニタマ駅長はどうなのでしょうか。

 

 和歌山電鐵貴志川線は単線です。
  読みにくい駅名が多いですね。

和歌山駅◎
田中口駅
日前宮駅○
神前駅
竈山駅
交通センター前駅
岡崎前駅○
吉礼駅
伊太祈曽駅◎
山東駅
大池遊園駅
西山口駅
甘露寺前駅
貴志駅

 ◎は有人駅、○は、電車と電車がすれ違うことのできる駅です。ターミナル駅の和歌山駅と貴志駅は、当然ながらすれ違うことができません。

  たま駅長は、ターミナルの貴志駅勤務でした。

  無印の駅には、ホームが1つしかありません。
  上りの電車も下りの電車も同じホームにつき、同じホームから発車します。

  不思議な光景です。

 

 貴志川線は、昔、信号機の他に、タブレットにより衝突回避をしていました。

  タブレットといっても、携帯端末ではなく、直径30センチほどの鉄製のフラフープと考えていただければ、わかりやすいかと思います。

 

 単線区間における列車の正面衝突を防ぐ仕組みは、線路を一定の「閉塞区間」に区切り、一つの閉塞区間には一つの列車しか入れないようにすることです。

 

  列車1と列車2があったとします。

  列車1は何らかの理由で停車中です。列車2は、列車1の後続列車で、列車1に向かって進んでいます。

  このとき、列車1の含まれる閉塞区間に、列車2は入れないということです。

  これで衝突は起こりようがありません。
  

  閉塞区間を区切る方法としては、信号機・タブレットなどがあります。

  大半の鉄道路線は、信号機によって閉塞区間を区切っています。

  つまり、閉塞区間と閉塞区間の境目に信号機を設置し、その信号機の前の閉塞区間に列車がある場合、その信号機は赤を点灯させてその閉塞区間に他の列車が入れないようにするという事です。

 

 タブレットといわれる物を用いた閉塞区間の区切り方もあります。タブレット閉塞方式といいます。

  単線区間には列車がすれ違うための駅(交換駅)が必要ですが、タブレット閉塞方式ではある交換駅とその隣の交換駅との間のタブレットのような鉄の輪があります。タブレットといいます。

 

 あるタブレット閉塞方式を採用している単線の路線に、甲駅、乙駅、丙駅、丁駅、戊駅があったとします。

  甲駅、丙駅、戊駅は列車がすれ違える駅、乙駅、丁駅はすれ違えない駅です。

  今、甲駅から戊駅に向かう列車1と、戊駅から甲駅から向かう列車2が丙駅ですれ違うと仮定します。

  列車1は甲駅を出発したとき「甲駅~丙駅」と書かれたタブレットを、列車2は戊駅を出発したとき「丙駅~戊駅」と書かれたタブレットを持っています。

  列車1は甲駅~丙駅のみ通行を許可されていますので、このタブレットを持っている限り、途中の丙駅までしか行けません。

  一方、列車2は丙駅~戊駅のみ通行を許可されていますので、このタブレットを持っている限り、途中の丙駅までしか行けません。

  そこで、丙駅で両方の列車が持っているタブレットを交換します。

  すると、列車1は「丙駅~戊駅」と書かれたタブレットを、列車2は「甲駅~丙駅」と書かれたタブレットを持つことになります。

  これで、無事に列車1は戊駅まで、列車2は甲駅までたどり着くことができます。

 

 和歌山電鐵で見てみましょう。

 和歌山駅と日前宮駅を通過できるタブレットは1つです。

  日前宮駅と岡崎前駅を通過できるタブレットも1つです。
  岡崎前駅と伊太祈曽駅を通過できるタブレットも1つです。
  伊太祈曽駅と貴志駅を通過できるタブレットも1つです。

 

 電車は、それぞれの区間のタブレットを持っていないと進めません。

  岡崎前駅からきた電車の運転手・車掌は、日前宮駅で、和歌山駅・日前宮駅を通過できるタブレットを受け取らなければ先に進めません。

  和歌山駅から日前宮駅にきた電車の運転手・車掌は、日前宮駅で、日前宮駅・岡崎前を通過できるタブレットを受け取らなければ先に進めません。

 

 単線区間で、1区間を進める電車は1車両のみ、その区間のタブレットがなければ進めないとしておけば、正面衝突はあり得ないということになります。

 

 もちろん、今は、信号機によっています。

 

 昔は、鉄の輪(タブレット)を交換していました。

 

 ちなみに、日前宮(にちぜんぐう)駅は、日前宮の最寄り駅です。私が、通っていた幼稚園は、日前宮の経営でした。

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