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2018年バックナンバー

雑記帳

世論調査は固定電話によるものだけでいいのか

 世論調査などのアンケートというものがあります。 新聞などで、政権支持率などを問いうものですね。
 結構「ばらつき」があります。

 

 すべての人に、アンケートをとるわけにはいきません。
 つまり、一部の人にアンケートをとっているわけです。「一部の人」を「母集団」といいます。
 母集団は、ある程度大きいものでなくては、統計的意味を持ちません。

 

 「こんなに少なくて大丈夫なのか」と思うときがありますが、「味噌汁の塩分を調べるために、3分の1や半分も調べなければならないのか」と言い返されることがあります。

 

  また、ランダムでないといけません。
  ある政治集会の出席者にアンケートをとることは無意味です。


 ここからが本題です。

 日経新聞・平成29年10月31日朝刊に「探れ 携帯だけの世帯 データ分析の蓄積少なく」という記事が掲載されていました。
 

 概要を記載します。

 

 日経新聞社が平成29年10月の衆院選の情勢を探るために実施した世論調査で、新聞紙上で公表した分については、固定電話のみが対象でした。

 

 コンピューターが無作為に選ぶ乱数番号(RDD)方式で固定電話番号を抽出し、序盤は全289選挙区、終盤は接戦114選挙区を対象に実施しました。

 各選挙区で目標の回答数を満たすように電話をかけ続けます。

 固定電話なら、局番で、住所がわかります。

 

 これに対し、携帯電話は無作為に対象を抽出しても、どの選挙区の有権者かが分かりません。

 日経新聞社は、終盤情勢を探る世論調査とは別に、携帯電話のみが対象の調査も実施したようです。

 全国の有権者2484人が対象で、1060人から回答を得たとのことです。

 最初に、どこに住んでいるか聞いているはずです。

  各選挙区で目標の回答数を満たすように電話をかけ続けることは不可能です。

 

 固定電話と携帯電話の2つの調査を比べると傾向の違いがありました。

 

 固定電話が対象の調査で比例代表の投票先を聞いたところ、自民党と答えた人は33%、携帯電話が対象の調査では39%で、固定電話の調査を上回わりました。

 

 固定電話調査では、単身世帯の若者など携帯電話のみを持つ有権者が調査対象から漏れます。正確な統計はありませんが、現在は有権者の約2割が携帯限定層だとの見方があるようです。

 

 今の若い人は固定電話を持ちません。

 若い人ほど自民党支持者が多いのですが、若い人が固定電話をもっていないため、調査の対象とすることが不可能ということですね。

 

  その昔、アメリカ大統領の選挙のアンケートをとったところ、共和党候補が圧勝する予定が、民主党候補が圧勝したことがあったそうです。

 電話帳に掲載している人に調査をしたそうで、ランダムはランダムなのですが、当時、電話を有していた人は、一部富裕層で、共和党支持者が圧倒的多数だったらしいです。

 

 歴史は繰返します。

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