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2018年バックナンバー

雑記帳

消費増税3度目の延期あるか

 安倍首相は「全世代型の社会保障を実現する」として、衆院選挙戦で消費増税の使途を変更し、幼児教育の無償化など2兆円規模の政策パッケージに充てると訴えていました。
 
 2兆円の施策は「増税しなければ実行できない」と言及しており、2019年10月に消費税が上がる公算は大きいとみられてはいます。
 
 平成29年11月21日、安倍晋三首相は衆院本会議で、2019年10月の消費税率引き上げに関し「(増収分の)使い道を見直し、子育て世代への投資と社会保障の安定化にバランスよく充当することとしており、引上げを中止することはない」と述べました。
 
 しかし、衆院解散後に安倍首相は「リーマン・ショック級なら増税延期」と述べていました。菅官房長官も、平成29年10月6日の記者会見で「政権交代前の有効求人倍率は0.83倍だ。そのような厳しい経済状況の中で増税したら経済が壊れてしまう」と述べていて、政権幹部がそろって延期に含みを残しています。
 
 安倍首相や菅長官のいうように、経済状況がリーマン・ショック並みに悪化すれば、増税の延期は当然の判断だといえます。
 
 増税しても税収が落ち込む状況ならば、増税の意義が失われます。
 
 安倍首相は、平成28年春にも「リーマン・ショックがない限り引き上げる」と繰返していましたが、平成28年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)後、世界経済が危機に陥るリスクへの国際協調という「これまでのお約束とは異なる新しい判断」を理由に増税延期を表明しました。

 深刻な景気低迷はありませんでしたが、平成28年7月の参院選に勝利して信を得ました。
 
 2019年は、平成28年と似通っています。
 
 増税予定の2019年10月の前に夏の参院選があります。
 
 増税の最終判断は、平成30年末との見方が有力ですが、いざとなれば、参院選の直前まで変更がきかないわけではありません。
 
 参院選に向け増税の風当たりが強まれば、安倍首相が消費税の再延期を問う衆参同日選挙に打って出るとのシナリオが浮上する可能性は否定できません。
 
 安倍首相は、平成26年4月に税率を8%に引き上げた判断を後悔しているとされています。
 
 「経済対策を打てば、消費はすぐに戻る」と説明した財務省への不信感は根強いといわれます。
 
 増税後の個人消費の低迷で政権の最優先課題と位置付けた「デフレ脱却」は遠のいていて、安倍首相の経済ブレーンからはなお「増税は延期すべきだ」との主張も強いです。
 
 民進党は増税を主張していましたが、民進党が分裂してできた希望の党と立憲民主党は増税凍結や延期に主張を転換しました。
 
 首相が再び増税を先送りしても、野党から批判はなさそうです。
 
 参院選前に、消費税増税をしてしまえば、自民党・公明党の与党は敗北する可能性があります。
 
 安倍首相が消費税の再延期を問う衆参同日選挙に打って出る可能性も強いように思います。
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