2018年バックナンバー
雑記帳
福井県の大飯原子力発電1、2号機の廃炉
関西電力は、平成29年12月22日午前の臨時取締役会で、運転開始から40年近く経過した大飯原子力発電所1、2号機(福井県)を廃炉にすると正式に決めました。
これまで最長20年の運転延長を原子力規制委員会に申請する方針でしたが、安全対策費用がかさむことなどから方針転換も視野に入れています。
大飯1、2号機は、いずれも出力117.5万キロワットです。原子力発電は、出力100万キロワット超を「大型原子力発電」と呼びます。
昭和54年に運転を始め、1号機は平成22年、2号機は平成23年に定期検査に入りました。
平成23年の東日本大震災の後は運転を止めたままでした。
これら2基の廃炉が決まれば、関西電力の原子力発電で廃炉となるのは美浜1、2号機と合わせて計4基になります。
大飯1、2号機の廃炉が決まれば、出力100万キロワット超の「大型原子力発電」では、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電を除いて初めてとなります。
大震災の前は、関西電力は原子力発電で発電量の約4割をつくっていました。
しかし、震災後、当然の話ですが、これらを動かすためには巨額の安全対策費用が必要になりました。
関西電力はすでに7基を動かすために8300億円超を投じる計画で、大飯1、2号機を動かせば、額はさらにふくらみます。
関西電力は、2基を動かして火力発電の燃料費を減らしても、安全対策費に見合うほどのメリットはないとの判断に傾いています。
企業や家庭で節電が進んだことや家庭向け電気販売の自由化で、関西電力は電気販売で苦戦しています。
平成28年度の販売電力量はピーク時の平成22年度から2割減少しています。
平成29年度はさらに約6%減が見込まれます。
大飯1、2号機を廃炉にしても供給には余力があります。
40年もくれば、普通は寿命でしょう。
無理に、再稼働する必要はないかと思います。