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2020年バックナンバー

雑記帳

健康寿命

正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし(一休禅師)
 数え年では、正月に年齢が1歳上がります。
 「めでたくもあり めでたくもなし」ということですね。
 
 厚生労働省の発表によりますと、平成30年の日本人の平均寿命は女性87.26歳、男性81.09歳でした。
 
 ピンピンコロリ(PPK)という言葉があります。
 病気に苦しむことなく、元気に長生きし、病まずにコロリと死ぬという意味です。
 
 ある意味、それにこしたことはありません。
 しかし、現実は甘くありません。
 
  日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことを「健康寿命」と呼びます。
 「厚生労働省・健康寿命」をご覧ください。
 
 「平均寿命」と「健康寿命」との間の期間は、「日常生活に制限のある不健康な期間」=「日常的に介護が必要な期間」を意味します。
 
 平成30年時点の統計で、男性の平均寿命は81.09年、健康寿命は72.14年、女性の平均寿命は87.26年、健康寿命は74.79年です。
 
 平均寿命と健康寿命の差は、平成30年で、男性8.95年、女性12.21年となっています。
 
 医学の進歩によって「健康寿命」は尽きても「平均寿命」は10年残っているということですね。
 健康保険や介護保険財政が圧迫されるのも当然です。
 
 大所高所からの話は別として、「不健康な期間」=「日常的に介護が必要な期間」に、自由にお金は使えません。
 
 国民年金の繰上受給という制度があります。
 
 国民年金は、65歳から支給されるのですが、60歳になれば、繰上受給ができます。
 当然、支給額は安くなります。
 
 従前は、年金を繰上げ受給すると1ヶ月につき0.5%減額されるため、65歳支給開始の年金を60歳からもらい始めると、30%減額された年金を生涯受け取ることになりました。
 
 しかし、実施時期はきまっていませんが、年金を繰上げ受給すると1ヶ月につき0.4%減額されるにとどまり、65歳支給開始の年金を60歳からもらい始めると、24%減額された年金を生涯受け取るという改正が行われます。
 
 従前の損益分岐点の計算は、76歳まで生きないという前提ならば、支給金額にかかわらず、60歳に繰上受給の申請をする方が得です。
 
  同じく、61歳から受給すれば77歳が、62歳から受給すれば78歳が、63歳から受給すれば78歳が、64歳から受給すれば79歳が、それぞれ「損益分岐点」になります。
 減額幅の改正により「損益分岐点」があがります。
 
 「健康寿命」が尽きれば、年金をもらっても自由に使えません。
 
 「年金は自由に使いたい」という考えなら、男性の健康寿命は72.14年、女性の健康寿命は74.79年ですから、男女をとわず、60歳に繰上受給の申請をする方が「得」なように思えます。
 減額幅の改正により「損益分岐点」があがりますから、計算は少し違ってきます。
 
 76歳以上生きても、「健康寿命」が尽きていれば、年金の多寡は大勢に影響はありません。
 また、「健康寿命」が尽きたあとのことは知ったことではありません。
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