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2020年バックナンバー

雑記帳

アメリカ、台湾に武器売却 総額2500億円 中国は猛反発

  アメリカ政府は令和2年10月26日、台湾への対艦ミサイルシステムなど総額23億7000万ドル(約2500億円)の武器売却を承認し、議会に通知しました。
 
 令和2年10月21日には空対地ミサイル(AGM)など総額18億ドル強(約1900億円)の武器売却を承認したばかりのことで、アメリカから台湾への武器売却が加速しています。
 
 今回売却を決めたのは、「ハープーン」と呼ばれるアメリカボーイング製の対艦ミサイル最大400発のほか、ハープーンを搭載した沿岸防衛システム100基などです。
 
 令和2年10月21日にはアメリカボーイング製の空対地ミサイル「SLAM-ER」135発や、アメリカロッキード・マーチン製のロケット砲シスムテム「HIMARS」など3種類の兵器システムの売却を承認したばかりです。
 
 民主党のオバマ政権時代は中国への配慮を優先し、台湾への武器売却を控えていました。
 
 オバマ政権の2012~2016年の間に、武器の輸出を承認したのはわずか1回にとどまります。
 
 一方、トランプ氏が大統領に就任してからは武器売却が増えました。
 約4年間の在任中に台湾に対して武器売却を承認したのは今回で9回目です。
 総額は、約174億ドル(約1兆8000億円)にのぼります。
 台湾の年間の国防予算の約3500億台湾ドル(約1兆2800億円)を大きく上回る規模です。
 
 アメリカと中国の対立が過熱した令和元年から動きが速まりました。
 
 アメリカが台湾に武器売却を承認した9回のうち、7回は令和元年以降に決めた案件となります。
 令和元年7月には「M1A2エイブラムス戦車」108両や、地対空ミサイルなど総額22億ドル(約2300億円)の売却を承認しました。
 
 さらに令和元年8月には、F16の新型66機を総額2472億台湾ドル(約8900億円)で売却することを決め、大型案件を矢継ぎ早に承認しています。
 
 台湾の総統府は令和2年10月27日、「アメリカ政府が先週、台湾に3種類の武器売却を決めたのに続き、再び重要な防衛システムを提供することを決めたことに深く感謝する」とのコメントを発表しました。
 
 台湾国防部のシンクタンクの所長は、アメリカ国が今回決めた武器売却の意義について「台湾から先制攻撃はしないが、台湾沿岸から250キロメートルをミサイルで射程圏に入れた。対岸の中国・福建省も十分、台湾の陸地から攻撃できる射程内に入った」と指摘しました。
 
 そのうえで「中国軍はまだ台湾を十分に攻撃する能力は持たない。だが、軍事能力を引き上げており、台湾軍も5~10年前倒しで準備を進める必要がある」と語りました。
 
 アメリカ台の急接近で、中国はいら立ちを募らせ、対抗措置に出ています。
 
 中国はロッキード・マーチンやボーイングの関連会社、レイセオン・テクノロジーズなど軍事関連企業に制裁を科すと発表ましした。
 
 軍事的な圧力も強めています。
 
 令和2年9月から、中国軍機は、中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡の「中間線」を越え、台湾側への侵入を繰返しました。
 さらに台湾南西部の防空識別圏にも令和2年10月に入ってから、計16日間(令和2年10月26日時点)にわたって侵入し、威嚇行為を繰り返しています。
 
 バイデン新大統領になったら、どうなるのでしょうか。
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