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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

フランス検察はゴーン被告を逮捕できるのか?

 令和4年4月21日、ルノーの資金を不正流用した疑惑をめぐり、フランスの司法当局は、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告らの逮捕状を出し、国際手配しました。

 ゴーン被告をめぐっては、ベルサイユ宮殿で自身の結婚披露宴を開く際にルノーの資金を流用した疑惑や、オマーンの販売代理店への不透明な支払いなどについて、フランスの司法当局が捜査を進めています。

 フランスの司法当局によりますと、捜査を担当する予審判事は令和4年4月日、ゴーン被告とオマーンの販売代理店のオーナーら5人に逮捕状を出し、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配したということです。

 ゴーン被告は、日本側からもICPOを通じて国際手配されていますが、現在レバノンに逃亡しています。

 レバノンもICPOに加盟し、日本もすでにICPOを通じて、ゴーン被告に対してICPOの国際逮捕手配書に相当する「赤手配書」発行し、レバノン当局も受け取っていますが、レバノンと日本との間には犯罪人引き渡し条約は結ばれていません。というか、日本には死刑制度がありますから、犯罪人引き渡し条約を締結している国は、アメリカと韓国だけです。

 今回、国際手配を行ったフランスもレバノンとの間において、犯罪人引き渡し条約を締結していません。

 ただ、フランスはレバノンの旧宗主国ですし、過去に、レバノン系フランス人ビジネスマンを逮捕した実例があるそうです。
当該ビジネスマンは、リビア元首のカダフィ大佐からサルコジ元大統領の選挙献金の違法な橋渡しを行ったという罪状だったそうです。

 レバノンにはシリア難民も含めて600万人が生活していますが、80%の人々が貧困ラインを下回る生活を余儀なくされています。
 その原因は政治腐敗と政府による失政とされています。

 レバノンの経済貿易相は、令和4年3月上旬、ウクライナやロシアに代わる小麦輸入の代替をフランス、インド、アメリカに求めると発言しました。
 ゴーン被告に関するフランスの圧力をレバノン政府はまったく無視、拒絶することはできないような状態といわれています。

 ゴーン被告人には司直のメスが着実に忍び寄っていると言えるかもしれません。
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