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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ウクライナ批判のSNS投稿者、ワクチンでも誤情報発信

 ウクライナ侵攻で対ロシア批判が強まるなか、日本国内のSNS上ではプーチン政権擁護の投稿も目立ちます。

 東京大学と日本経済新聞が調べたところ、「ウクライナはネオナチ」などロシアの言い分に沿ったツイッター投稿を拡散させている人の約9割は、新型コロナウイルスワクチンに関する誤情報などを発信していたという調査結果が出ました。

 東京大学鳥海教授と日経新聞担当者が共同で「ウクライナ」「ロシア」「プーチン」などと「ナチ」という言葉をあわせてつぶやいた投稿を調べました。

 調査期間は令和4年1月1日から3月5日です。

 投稿の類似性などからいくつかのグループに分類したところ、75のアカウントによる228件の投稿で「ウクライナはネオナチだ」とロシアのプロパガンダに沿った主張が見つかりました。投稿は「ウクライナ政権はネオナチに乗っ取られている」「日本はナチス政権を支持するのか」といった内容が中心でした。
 228件の投稿はリツイートで増幅し、3万回以上拡散していました。

 さらに、75アカウントの投稿者を分析したところ、約8割が「新型コロナウイルスのワクチンにはマイクロチップが入っている」「ワクチンは不妊につながる」などの情報を過去に発信していたことが分かりました。
 当該75のアカウントの投稿はフォロワーなどに共有され、拡散者は約1.1万アカウントにのぼりました。

 鳥海東京大学教授はこうしたアカウントの保有者について「政府やメディアが否定する情報をむしろ信じる傾向にある」と分析しています。

 ツイッター社はウクライナ侵攻に関して、これまでに10万件以上の偽情報や偏向投稿を削除したりラベル付けしたりしてきました。
 SNSの特徴は誰もが自由な発信ができることですが、紛争下などでは偽情報が社会に混乱をもたらす恐れもあります。
 ツイッター社は日本経済新聞に対し「コンテンツの監視を拡大している」とコメントしています。

 欧米でも似た動きが起こっているようです。
 米英非政府組織(NGO)のデジタルヘイト対策センター(CCDH)によりますと、ワクチンに関するデマを流した集団がウクライナ関連の誤情報を積極的に拡散していたそうです。
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