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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

和歌山県の飛び地

 右上の地図は、和歌山県の白地図です。

 地図が上が北で、本コラムの表題で和歌山県と記載していますからわかるでしょうが、右か左へ90度回転させたり、南北逆さにしたら、どこの県かわからなくなってしまいます。

 和歌山県の島で大きいのは、串本沖の大島です。
 「ここは串本 向かいは大島 仲を取り持つ 巡航船」という串本節があります。

 東側にある2つの島のように見えるのは、島ではありません。
 奈良県と三重県に囲まれた飛び地です。

 飛び地のうち、南西にあるのが新宮市の一部(旧・熊野川町)、北東にあるのが北山村です。
 村がまるごと飛び地なのは全国で北山村だけで、人口は現在450人です。

 明治4年、廃藩置県の際に新宮市が和歌山県に編入されると聞いた村民が「新宮市が和歌山県に入ったのなら、ぜひ私たちも」と言ったためだと伝わっています。
 村の97%を山林が占める北山村は、良質の吉野杉に恵まれ、林業が盛んでした。

 切った木は北山川を利用し、「いかだ」にのせて新宮市まで運んでいたため、北山村と新宮市の経済的な結びつきが深かったのです。

 平成の大合併では、近隣の市と町との合併話が持ち上がったのですが、北山村は単独の道を選びました。
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