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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

戸籍の名の読み方

 現在、原則として、戸籍には「ふりがな」は記載されていません。
出生届には「よみかた」(ふりがな)の記入欄がありますが、戸籍に転記はされません。

 もっとも、弁護士をしていると、地方公共団体のやることですから、ごく希に、ふりがなを振っている戸籍(除籍・原戸籍)をみかけることがあります。

 戸籍に「ふりがな」がないことから、戸籍をみるだけでは、どのように読むかわからないことがあります。

 「幸子」は「さちこ」か「ゆきこ」かわかりません。
 「良子」は「よしこ」か「りょうこ」かわかりません。
 「光治」は「みつはる」「みつじ」「こうじ」のどれかわかりません。

 戸籍に、「ふりがな」を並記することになりました。
平仮名や片仮名の方が個人データを検索しやすいことから行政の事務処理を効率化させるためです。

 銀行などは、「ふりがな」で管理しています。
 口座開設の時に、本人あるいは親権者等に「ふりがな」を記載してもらいますから、間違いはありません。

 法務大臣の諮問機関である法制審議会の戸籍法部会は、令和4年5月17日、戸籍の氏名に新たに付ける読み仮名に関する中間試案をまとめました。

 戸籍に、漢字(+ひらがな+カタカナ)のみしか記載せず、「ふりがな」を記載しない扱いなら、あまり「ふりがな」について議論の必要性は低いです。
 もっとも、戸籍に「ふりがな」を記載する以上、ある程度制限する必要性が出てきます。

 法制審議会の戸籍法部会は、いわゆる「キラキラネーム」など漢字本来と異なる読み方をどこまで認めるかについて「公序良俗に基づき判断する」を含めた3つの基準案を提示しました。令和4年5月下旬からパブリックコメントをし、その内容を踏まえてさらに議論します。
法務省は、令和5来年の通常国会に関係法令の改正案提出を目指します。

 「公序良俗に基づき判断する」という例です。
 「光宙」と書いて「ぴかちゅう」と読むのはOKだそうです。
 しかし「太郎」と書いて「じろう」と、明らかに別の読み方をする「ふりがな」はダメだそうです。
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