本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ユーロと旧通貨との関係

 平成14年1月1日、ユーロに参加する12か国、3億人を対象にして、ユーロの現金が法的通貨として流通を始めました。
 その後、ギリシャの経済危機による「統一通貨」の危険性が顕在化しました。

 変動相場制のもとでは、通貨が弱いために投資が集まらず金利の高い国について、通貨統合により、為替が固定されたために、為替リスクがなくなりました。

 このため、通貨が弱いために投資が集まらず金利の高い国が、魅力的な投資先になったのですが、通貨が弱いために投資が集まらず金利の高い国が、他国からの投資を集めることができたのですが、これは「経常収支の赤字」を意味しました。

 通貨が弱いために投資が集まらず金利の高い国は、他国の資本で成長できましたが、金融危機でユーロが危なくなると海外資本が引き上げ、政府も企業も資金調達が困難になり、財政収支が悪化したということです。

 変動相場制ならば、ギリシャなど、通貨が弱いために投資が集まらず金利の高い国に過度の投資がなされることは起こりえませんでした。
 いくら利率が高くても、弱い通貨の国に投資はできません。

 為替リスクがなくなったのは現実なのですが、もっと「危険」な「国家破産」がまっていたというわけです。

 ユーロは、以下のレートで固定され統合されました。

1ユーロ=
1.95583 DM (ドイツ・マルク)
6.55957 FRF (フランス・フラン)
13.7603 ATS (オーストリア・シリング)
40.3399 BEF (ベルギー・フラン)
2.20371 NLG (オランダ・ギルダー)
5.94573 FIM (フィンランド・マルカ)
340.750 GRD (ギリシャ・ドラクマ)
0.787564 IEP(アイルランド・ポンド)
1,936.27 ITL(イタリア・リラ)
40.3399 LUF (ルクセンブルグ・フラン)
200.482 PTE (ポルトガル・エスクード)
166.386 ESP (スペイン・ペセタ)

 割と計算が楽な国がありますね。
 ドイツマルクは、2倍すればユーロとなります。
 ついでに、イタリアリラは、2000倍すればユーロとなります。統合当時、1マルク=1000リラになっていました。その昔、日本の東京三菱銀行(三菱UFJ銀行でも、東京三菱UFJ銀行でもありません)で、10万リラ札を渡されて「こんな高額紙幣はいらない」と言っていたOLがいましたが、100マルクで7000円程度の価値しかありません。もっとも、偽札の多いイタリアで、そんな高額紙幣は使われません。
 ポルトガルも楽です。
 200エスクードを200で割れば1ユーロになります。

 あとは、暗算は無理で電卓が必要です。特に、ヨーロッパ人は、なぜか計算に弱いです。
 フランスでは、高級家具店などはもちろんのこと、スーパーなどの値札にも、ユーロ表記の下に、小さく「フラン表示」がなされています。
 昔の人には、何フランか、何シリングかわかるようになっているということです。
 オーストリアも同様「シリング表示」がなされていることがあります。

 令和4年1月現在、19か国が加入しています。
 オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、リトアニア、ラトビア

 キプロス、エストニア、マルタ、スロバキア、スロベニア、リトアニア、ラトビアが新規加入ですね。
 加入していないのは、EUに入っていないスイスとイギリス、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの北欧諸国、チェコ、ポーランド、ハンガリーの東欧諸国などがあります。
 結構、加盟の要件は厳しいようです。


TOPへ戻る