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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

廃墟と化すマンション



 世の中には廃墟になりそうなマンションの予備軍が多くあります。

 建物というのは、とにかくカネがかかります。

 点検やメンテナンスを怠れば長持ちしませんから、マンションは定期的に修繕を行ないます。

 この修繕には大小様々なものがありますが、とりわけ足場をかけて外壁の修繕などを行ういわゆる「大規模修繕」は、建物の規模によって数千万から億単位の金がかかることがあります。

 こうした修繕は、所有者が積み立ててきた「修繕積立金」でまかなうのですが、積立金が足りなければ修繕はもちろんできません。

 修繕費は、他の債権に先立ち取立てうる先取特権があるのですが、現実に、財産がない人から取立てられません。

 分譲マンションですから、購入の際は、それなりに資力があったのかも知れませんが、全額を住宅ローンでまかなうなどしていれば、いずれ修繕費を支払うことができなくなることは想像がつきますし、そうでなくても、働き手が病気になるなどのことはありえます。

 マンションは、適切な点検と修繕が行われていれば最低でも60年もつといわれています。

 ただ、適正な管理が行われていなければ、寿命は短くなります。
マンションは廃墟と化し、資産価値はもちろん大幅下落します。
 居住快適性は失われ「売れない、貸せない」といったお荷物となります。

 ある程度余裕のある人は、他に住居を求めるでしょうが、売れなければ、固定資産税もかかってきますし、修繕費は有無を言わさず取られます。

 マンションの建替えという方法があります。

 マンションの建替えには、区分所有法によって、5分の4が賛成すればマンションの建て替決議は可能だということになっています。
 反対する人の権利を買取ることもできます。

 しかし、現実問題として、実際の現場では、建替え費用が捻出できない区分所有者が居ることはもちろん、「ここで一生を終える」とおっしゃる高齢者や、建物の老朽化を賃貸契約解消の正当事由としない借地借家法が立ちはだかり賃貸人がなかなか出ていかないなど、そう簡単にはいきません。

 また、世の中には多くの「既存不適格マンション」が存在します。

 既存不適格マンションとは簡単にいえば「建設当時は適法だったが、後の法改正で不適格となったもの」を指します。
 具体的には「建設時には容積率400%だったものが、現在は300%になっている」などです。
 建替えで建物が小さくなってしまうのでは、実現は到底不可能となります。

 逆、つまり建設時には容積率400%だったものが、現在は600%になっているなら、立替えは難しくなく、みんなハッピーなのですが・・

 マンションは、鍵一本で戸締まりが出来るということで買い求められる方が多いかも知れません。

 ただ、金銭的に余裕があれば、一戸建てにする方が危険は小さいです。
 他の人が足を、思いっきりきり引っ張るということはなく、自己責任の範囲で、対処できます。
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