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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

総額23億円「貸し付け」か カード買物枠「現金化」業者を摘発

 警視庁は、令和4年7月27日までに、クレジットカードの買物利用枠を使い、実質的に違法な高利貸をしたとして、「安心くん」など五つのサイトで客を勧誘していた運営会社「トラストオブファイブ」藤田幸夫容疑者ら計7人を出資法違反容疑で逮捕したと発表しました。

 架空の取引によるカード決済をさせ、決済額の一部をキャッシュバックした残りの差額を得ていました。
 キャッシュバック分は実質的に客への貸付にあたり、決済額との差額分は違法に高い利息だったと解されます。
 つまり、カードのショッピング枠を「現金化」する業者ですね。

 出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)5条には、以下のとおり定められています。

「1項 金銭の貸付けを行う者が、年109.5を超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
2項 前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年20パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。」

 なぜ、架空の取引によるカード決済して、その一部を現金で受取る人がいるのでしょう。

 クレジットカードには、キャッシング枠とショッピング枠があります。

 私の持っている某クレジットカードの借入枠は以下のとおりです。
  総利用枠 250万円
  内ショッピング利用枠 250万円
  内リボ払い 100万円
  内分割・2回・ボーナス 100万円
  内キャッシング利用枠 50万円
  内キャッシングリボ 50万円
  内キャッシュサービス 50万円

 クレジットカードは250万円まで利用できます。
 ショッピング利用枠とキャッシング利用額の合計は250万円までです。

 ショッピングは250万円までですが、リボ払いは100万円まで、分割・2回・ボーナスは100万円までです。

 キャッシングは50万円までですが、キャッシングリボは50万円まで、キャッシュサービスは50万円までです。

 クレジットカードで物品を買うのは、さほど危険ではありません。
 翌月一括払いのみの利用なら問題ありません。

 ただ、物品購入をリボルビングにしている人は危険な人がいます。
 スーパーなどで日常生活品をクレジットカードで購入している人もいて、預貯金もない人がいます。
 ですから、リボ払いは、100万円に制限されています。
 100万円もリボ払いにすると、いくら返済しても、元金が減りません。

 クレジットカードのキャッシングをする人も危険です。
 預貯金がないため、お金を借りなければならないという状態だからです。
 キャッシングの利用額は、50万円に制限されています。

 現金を、架空の取引によるカード決済して、その一部を現金で受取る人は、クレジットカードのキャッシング枠を使切り、ショッピング枠で購入しようとしています。

 リボ払いにできるのは、しょせん100万円ですが、お金のない人は、後先考えず枠一杯(総利用枠250万円-キャッシング50万円-ショッピングリボ100万円=100万円)を借りようとします。

 ですから、現金を、架空の取引によるカード決済して、その一部を現金で受取る人は、わずかな期間で、法定利息の数十倍の利息を支払うことになります。

 さらに、高利貸しにしてみれば、焦げ付きの心配なく、高利をむさぼることができるのです。


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