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雑記帳

原英史氏、毎日新聞に勝訴「名誉毀損による不法行為」認める

 令和4年7月4日、政府の規制改革推進会議の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)で座長代理だった原英史氏が、毎日新聞の記事で名誉を傷つけられたとして毎日新聞社を相手取り、1100万円の賠償を求めた控訴審の判決が東京高等裁判所でありました。

 一審の東京地方等裁判所判決では、毎日新聞の目的が「専ら公益を図ることにあったものと認められ、名誉毀損による不法行為は成立しない」として原氏の主張を退けましたが、東京高等裁判所は、高裁の相澤哲裁判長は原氏の主張を一部認め、毎日新聞に対し、損害賠償として220万円の支払いを命じる逆転判決を下しました。

 毎日新聞は、令和元年6月11日付の朝刊一面トップで「特区提案者から指導料」とのメインの見出し、「WG委員支援会社 200万円、会食も」とのサブの見出しをつけた記事を掲載しました。
 毎日新聞は、福岡市の美容系学校法人が、日本の美容師資格を持ちながら国内で就労できない外国人を特区内で働けるようにする規制改革を希望し、原氏と協力関係にあるコンサルタント会社に対し、コンサル料として200万円の支払いをしたかのようにとれる報道をするとともに、会食費を同法人が全額負担したと報じました。

 原氏はこれに対し、「会社やその顧客から、1円ももらったことがない」などと全面否定し、令和元年6月に提訴しました。
 令和3年9月の東京地方等裁判所の一審判決では、毎日新聞が勝訴し、原氏が控訴していました。

 原氏は、福岡市の美容系学校法人が、原氏との会食費用を負担したと書いた点については、「控訴人が実際に当該招待に応じ、学校法人側でその費用を負担したかどうかは不明であると言わざるを得ない」と指摘したうえ、毎日新聞記者の取材に対して原氏が食事をするときには基本的に折半していると答えていたことなどから「会食の費用を学校法人において負担したとの事実が真実であると信ずるについて相当の理由があったとは言えない」と述べ、名誉毀損の成立を認めました。

 毎日新聞の原氏に対する報道を巡っては、記事をソースに原氏を批判する国会議員による名誉毀損問題に発展しました。

 原氏はブログを書いた立憲民主党の篠原孝衆院議員を訴え、東京地裁は令和3年3月に篠原氏の名誉毀損を認めて篠原代議士に165万円の支払いを命じる判決を下し、令和4年1月には控訴審でも原氏が勝訴し、確定しています。

 また同じく毎日新聞の記事を元に、国会質問やネットで原氏を批判した同党の森ゆうこ参院議員に対しても原氏は提訴し、東京地方裁判所が、令和4年1月、森氏に対し34万円の支払いを命じました。森議員は控訴中です。

 原氏は「このような事実無根の誹謗中傷記事が許されてはならないと考えていました。訴訟過程では、あまりに杜撰な取材ぶりも明らかになりました。今後同様のことが繰り返されないため、今回の判決の意義は大きいと思います。毎日新聞社には、判決を真摯に受け止め、一連の記事掲載に係るプロセスを第三者も交えて検証し、検証結果と再発防止策を明らかにしてほしいと思います」と述べています。
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