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雑記帳

英EU、ロシア産石油積んだ船舶「保険禁止」

 イギリスの経済誌であるフィナンシャル・タイムズは、令和4年5月31日、イギリスとEUがロシア産石油を積んだ船舶に保険をかけることを禁じると報じました。

 対象の船舶は世界最大級の保険市場である英ロイズ保険組合などを使えなくなり、ロシアのエネルギー輸出に打撃となるとみている。

 禁止措置が実際に始まるのは、6カ月後の見通しです。
 EUは対ロシア制裁の一環として船舶の保険に狙いを定め、効果を高めるために英国の協力も得ました。
 実施にあたっては、どのように積み荷をロシア産と特定するかなどの課題が出てきそうです。

 海上運送は、ひとたび大事故が起きると大きな損害をもたらします。

 一般の人は、損害保険といえば、火災保険や地震保険とともに、自動車保険くらいしか思いつかないと思いますが、損害保険の会社名に「○○海上火災」とつく会社が多いですから、船舶の保険も大きなウエートを占めます。

 もちろん、1社で保険を受けてしまいますと、1件の事故で保険会社が倒産してしまいますから、再保険をかけます。再保険を受けた会社は、また、再保険をかけたりします。

 イギリスにロイズ保険組合があります。
 ロイズ保険組合は会員組織で、世界の保険会社がシンジケートと呼ばれる引受団をつくり、持込まれた案件を引き受けます。

 ロシア産石油の大半を輸入禁止とする追加制裁がじっしされていますが、ロシアは中国、インド、トルコなどへの輸出を続けており、制裁の効果が十分に上がっていません。
 ロシアに海上での石油を輸出させないという大きな狙いがあり、効果も大きいでしょう。
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