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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ウクライナ危機で5円玉の原価が5円を上回る

 ウクライナ危機と円安が多方面に影響を広げています。

 「5円玉」は、原料の銅や亜鉛が値上がりし、5円玉の原価も高騰しています。
 5円玉を作るための鉱物原価が、5円を超えてしまうこともありうるそうです。

 ウクライナ危機と円安によって円建て銅価格の高騰に拍車がかかり、一時は5円玉の材料の時価がその額面の84%になりました。
 銅価格は令和4年4月の最高値からやや下げましたが、もともと電気自動車(EV)向けなどに需要が伸びていて、「5円玉の時価が額面を超える可能性は消えていない」そうです。

 5円玉は銅と亜鉛の合金である「黄銅」でできています。
 重さ3.75グラムの60~70%が銅なので、銅は平均して2.44グラム含有されています。

 銅は世界生産の約4%がロシア産。ウクライナ危機と円安で、令和4年3月には過去最高値となりました。亜鉛も最高値になっています。

 5円玉の材料原価に当てはめると銅が3.34円、亜鉛が0.86円となり、額面5円の84%に達しました。
 銅相場が底入れした令和2年4月に比べて、銅と亜鉛の時価は約2.4倍だそうです。

 ただ、それがどうしたということですね。
 既に、原料価格がオーバーしている硬貨があります。

 1円硬貨は100%アルミニウムで作られていて、重さがちょうど1gになるようつくられています。
 平成30年のアルミニウムの価格は1kg当たり約291円前後でした。
 この価格を当てはめると1円玉の原料価格は1枚当たり約0.29円となります」。
 ただし、硬貨を作るには、原料費のほかに、製造コストがかかります。

 各種硬貨の発行実績や、造幣局の年間予算をもとに硬貨の製造原価を算出すると、1円玉が約3.1円、5円玉は約10.1円、10円玉は約12.9円、50円玉は約12.1円、100円玉は約14.6円、500円玉は約19.9円と推計されています。

 つまり、ウクライナ危機と円安がなくても、1円、5円、10円はすでにコスト割れとなっています。

 ちなみに、日本では、故意に傷つけたり穴をあけたりすると、貨幣損傷等取締法違反により罪に問われます。外国で見られる、本当の硬貨に穴を開けたペンダントなどは日本では販売不可能です。
 1円5円をつぶして金属の塊にしようとする人はいないでしょう。
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