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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ドイツとポーランド、賠償で論争

 第2次世界大戦の火ぶたを切ったドイツのポーランド侵攻がはじまりました。
 1939年9月1日に、ドイツがポーランドに侵攻しました。

 1939年8月23日、ドイツとソ連は、独ソ不可侵条約を調印し、ドイツは、9日後の1939年9月1日にポーランドに侵攻し、10月6日、ドイツとソ連は実質的にポーランド全域の分割占領を完了しました。

 ポーランドは第2次大戦で総人口の約2割に当たる約600万人が犠牲になるという甚大な被害を出しています。
 ただ、ドイツとソ連が侵攻し、ドイツとソ連がポーランド人を殺し、ドイツとソ連が領土を分割していますから、約600万人の犠牲のうち、ドイツが何人、ソ連が何人という割合はわかりません。
 また、ドイツに賠償を求めるなら、ソ連の承継国であるロシアにも賠償を求めないと理屈に合いません。

 ポーランドは、社会主義体制下の1953年に東西ドイツに対する損害賠償請求権を放棄しました。
 さらに、旧東西ドイツが90年の統一直前に米英仏ソと戦後処理に関する「ドイツ最終規定条約」結びました。

 ドイツ政府は賠償が「政治的、法的に解決済み」と主張し、解釈に異論もあるものの、ポーランドも従ってきました。
 ただ、逆に、ドイツはポーランドに残した官民の莫大な財産を放棄しましたし、大幅な領地をポーランドに割譲しています。

ポーランドのモラウィエツキ首相は、令和元年8月、ドイツ紙のインタビューで「今日までドイツから大戦中の残虐行為への適切な賠償を受けていない」と述べました。
 地元メディアによると、8500億ドル(約90兆円)との試算が出る可能性もあるというそうです。

 もっとも、ドイツの国や個人がポーランドに残した莫大な財産の現在価値に直した金額の回収、ポーランドに割譲した大幅な領地を計算すると、プラス・マイナスどちらになるかわかりません。

 なお、ドイツに賠償金を求めている国にギリシャがありますが、ドイツがギリシャに財産を残していませんし、領土を得たわけでもなく、ギリシャの一方的な損ですが、賠償請求権は放棄済みです。
 もちろん、ドイツは、相手にしていません。

 お人好しな国は、日本くらいでしょう。


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