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雑記帳

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟

 令和4年6月28日、スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)への加盟に反対していたトルコが一転して支持することで合意しました。

 トルコはこれまで、NATO加盟を申請したフィンランドとスウェーデンについて、クルド人武装勢力を積極的に受け入れている、また、スウェーデンとフィンランドが、トルコに武器禁輸措置をとっているとして、フィンランドとスウェーデンの加盟を反対していました。

 NATOのストルテンベルグ事務総長によると、スウェーデンはトルコから武装組織の容疑者の引渡しを求められた際に、取組みを強化することに同意しました。
 また、フィンランドとスウェーデンは、トルコに対する武器売却の制限を解除するということで合意しました。

 トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領、スウェーデンのマグダレナ・アンデション首相、フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、令和4年6月28日、スペイン・マドリードで会談し、トルコの懸念に対応することが盛り込まれた共同安全保障に関する覚書に署名しました。

 そして、令和4年7月5日、NATOの加盟国は、フィンランドとスウェーデンの加盟に向けて「加盟議定書」に署名しました。

 加盟議定書は今後、NATO加盟国・30か国すべての国で批准される必要があります。

 トルコのエルドアン大統領は首脳会議の閉幕を受けて行った令和4年6月3030日の記者会見で「合意文書の約束が守られなければ、加盟はできない」と述べてフィンランドとスウェーデンをけん制しており、正式加盟に向けては、引き続き、トルコの動向が焦点とみられています。
 トルコが批准をしない可能性を残し、フィンランドとスウェーデンを牽制しています。

 ウクライナへの侵略を続けるロシアは、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟に強く反対しています。
 ロシアは西側の防衛軍事同盟であるNATOの東方拡大を口実に、ウクライナに攻込みました。
 結果は、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟というオウン・ゴールでした。
 ロシアは包囲網を強化され、打撃となるのは確実です。


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