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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

在韓米軍、戦車部隊の代わりに装甲車部隊配備

 アメリカ陸軍は、令和4年7月30日、韓国に循環配備した機甲旅団戦闘団(ABCT)を今年秋から機動旅団戦闘団(SBCT)に転換すると明らかにしました。
 SBCTはストライカー(Stryker)装甲車を利用した機動性が特長の部隊で、「ストライカー旅団」と呼ばれます。

 アメリカ陸軍は「速度と効率性、向上した移動性および戦略的柔軟性を提供する4400人以上の兵力で構成された歩兵中心部隊」とし「こうした転換で米国は朝鮮半島でいかなる侵略行為にも迅速に対応できる能力を維持できる」と強調しています。
 ただ、機甲部隊が使用していたM-1エイブラムス戦車、M2ブラッドレー戦闘車など従来の装備は朝鮮半島にそのまま置くことにしました。
 移転させることが必要なところもありませんし、有事の際に直ちに使用できるということです。

 アメリカの再編は、ウクライナ情勢の長期化により、米国が欧州に配備したABCTを従来の1個から3個に増やすことと関連しています。

 米軍事専門紙アーミータイムズは令和4年8月2日、米陸軍関係者を引用し「すでに出発したABCTを含めると現在欧州に2個の機甲旅団がある」とし「米陸軍はルーマニアに1個のABCTを追加で配備する計画」と伝えました。
 また「米陸軍の11個のABCTのうち3個を欧州に配備するだけに、韓国にABCTを継続して循環配備するのに無理があったはず」と指摘しました。

 米中の対立が深まるほど在韓米軍の戦略的柔軟性が拡大するという見方が多くなっています。
 中国の台湾侵攻など有事に備えた布石という意味でもあります。
 在韓米軍の全体的な再編方向が北への対応という単一目的から中国牽制など多目的に変わっていることでしょう。

 ロシアのウクライナ侵略によって、重戦車は、停止しないと照準を合わせての砲撃ができないことが露呈しました。
 停止しているときに、対戦車ミサイルで狙われたら終わりです。
 自走砲など機動性のある装甲車部隊を配備することになるのでしょう。
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