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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

年金、物価高なのになぜ減額?

 令和4年の現在、物価は上がっていますが、年金は0.4%減少しています。

 平成16年、小泉政権のもと「マクロ経済スライド」が導入されました。
 本来のルールで決まった改定率から、さらに少子高齢化に伴う調整率を差し引いて年金額を抑えるという制度です。
 つまり、少子高齢化によって、年金財政が苦しくなるのがわかっているので、年金を下げていこうという政策です。
 ちなみに、数値は、年金被保険者の増減や平均余命の伸びで決まります。といっても、年金被保険者の増減や平均余命は、天変地異でも起きない限り、あらかじめ予測した範囲に収まります。

 毎年度の年金額は現在2つのルールで決まっています。

 基本は、賃金や物価の変動に応じて改定率を決める本来のルールです。
 新規に年金を受取る人は賃金、既存の受給者については生活実態を反映して物価に連動するのが原則です。
 あと1つは、以前は賃金の変動率が物価を下回る場合、新規受給者も既存受給者も賃金ほどは年金を下げない物価変動率を採用したりゼロにしたりするパターンがありましたが、新規受給者も既存受給者も、より現役世代の負担感を反映しやすい賃金変動率を採用しました。
 物価がかわらず、賃金が下がれば、年金も下がるようになりました。
 令和4年度は賃金下落率のマイナス0.4%がそのまま年金額に適用されました。

 なお、マクロ経済スライドはこれまで平成27年(0.9%)、平成30年(0.5%、前年度未調整分0.3%を含む)、令和2年(0.1%)の3回しか発動されていません。

 これは、年金生活者いじめのようにみえますが、現在の年金生活者、特に高齢になればなるほど、掛けた年金掛金に比べ、受取年金の方が多額すぎます。
 少しずつ調整しようということですね。

 高齢者ほど投票所に行き、若者は投票所に行かないため、これまでは高齢者優遇の政策がとられてきました。
 自民党が安定多数をとった小泉政権の時、高齢者に不評な政策を実行して現在に至っています。

 今後も年金は「目減り」していきます。
今後の年金額を考える際は、物価だけでなく賃金の動きにも目を配る必要があります。


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