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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

島国と戦車

 令和元年7月5日、アメリカ政府が台湾に対して、戦車108両や対戦車ミサイルなど、20億ドル(約で2200億円)を超える以上の武器を新たに売却しました。
 ウクライナ戦争後は、もっとたくさんの武器が供与されるでしょう。

 なぜ、島国の台湾に戦車が必要なのでしょうか。
 日本の自衛隊に戦車が必要なのと同じ理由です。

自衛隊の戦車の削減

 「そもそも日本に敵陸軍に上陸されるようなら敗北確定。戦車というか陸戦に備えること自体が無駄。それより戦闘機や護衛艦を増やせ」という陸上戦力不要論があります。

 しかし、これは「極論」です。
 従来、本州にも戦車が配備されていたのは無駄だったのでしょうか。
 そうではありません。

 日本侵略のため、上陸作戦を成功させるには守備側の3倍の兵力が必要とされます。
 日本に戦車がある場合、敵侵攻部隊も相応の数の戦車を用意する必要があります。
 1両約50トンもの戦車を数百両も海上輸送する強襲揚陸艦を準備し、かつ護衛の戦闘艦艇もそろえなければなりませんし、制空権確保も必要となるなど侵略側は多大な負担を強いられます。

 それが「抑止力」につながるということです。

 また、日本に敵国の工作員が紛れていて、市街地でゲリラ戦が起きる可能性もあります。

 戦車には3つの特徴があります。
 大砲による攻撃力、装甲による防御力、キャタピラによる機動力です。
 大砲による攻撃力は、戦車砲が、「戦車以外」の装甲車を撃ち命中すれば、撃破可能です。
 装甲による防御力は、戦車砲で撃たれても大丈夫(正面ではなく、側面背後は若干脆弱です)というくらいです。
 キャタピラによる機動力は、でこぼこした地形でもストップしたり、転倒したりせずに走れます。
 対戦車兵器(戦車ミサイルや対戦車ロケット)を使うことで歩兵でも戦車を撃破可能です。
 しかし、対戦車兵器(戦車ミサイルや対戦車ロケット)を装備した対戦車部隊は、機動力がないことから、銃で装備した歩兵に劣ります。
 戦車は、もちろん、歩兵に勝ります。

 戦車、対戦車部隊、歩兵は、じゃんけんの「石」「はさみ」「紙」(順不同)で、どれかを欠くと、戦術上「まずい」ということになります。
 双方、すべてをそろえて戦うことが当然の前提となります。

 戦車がないと、単に、敵方の多数の歩兵だけで敗戦となります。
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