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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

国民年金のみの年金受給者の老後

 その昔、老後に2000万円不足するとした金融庁の報告書をめぐる騒動がありました。
 ただ、報告書が平均像とした高齢夫婦は月19.2万円の年金を受取という想定です。
 夫婦の基礎年金に加え、夫の会社員の厚生年金もあります。
 厚生年金がそこそこあれば、質素な生活につとめれば、2000万円なくてもなんかとなるでしょう。

 問題は、厚生年金のない自営業者です。

 定年がなく老後も事業収入を見込める自営業者向けの年金として国民基礎年金があります。

 発足当時は、月額掛金100円、老後の小遣いというところから始まったそうです。
 弁護士も自営業者ですが、定年がなく老後も事業収入を見込めるという点は、そのとおりです。
 もっとも、いつまでも働けるかというとそうでもありません。
 依頼者が「この弁護士さん、もうろくしたな」と思われた時点でアウトです。

 ですから、国民年金の他、働いて稼いでいる間に、国民年金基金や確定拠出年金で年金をつくり、小規模共済で退職金をつくって老後に備えるわけです。

 国民基礎年金のみという人は、自営業だけでしょうか。
 そうではありません。

 専業主婦(専業主夫)は、国民基礎年金のみです。ただし、夫(妻)の厚生年金があります。

 また、パートやフリーターなどの勤め人も、国民基礎年金のみです。
 なかでも現在38~47歳の就職氷河期世代は老後が不安です。
 この世代は専業主婦を除いた無業者やフリーターが92万人と全体の5%を占めているといわれます。
 国民年金に老後を頼るしかありません。

 貯えに乏しい高齢者は増えています。
 高齢夫婦世帯の平均貯蓄は2000万円を超えますが、1割近い世帯は100万円未満です。

 現在38~47歳の就職氷河期世代の非正規労働者は大変です。
 国民年金基金や確定拠出年金で年金をつくっている余裕はありません。
 預貯金もさほどないでしょう。
 まず、生活していけません。
 生活保護受給ということになるのでしょうが(年金分との差額が支給されます)、他の人にとっては大迷惑です。
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