本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ポーランド、ドイツに1800兆円賠償請求へ 第二次世界大戦中の被害で

 ポーランドの右派与党「法と正義」のカチンスキ党首は、令和4年9月1日、第2次大戦中に同国がナチス・ドイツから受けた損害が6兆2000億ズロチ(約180兆円)に上るとする算定結果を公表するとともに、ドイツに対し正式に賠償を請求する方針を表明しました。

 令和4年9月1日は、ドイツによる1939年のポーランド侵攻開始から83年に当たります。
 カチンスキ党首は「ドイツが1939年から1945年にポーランドで行ったすべて」について、賠償を求めると強調しました。

 ドイツ外務省報道官は令和4年9月1日、当時の東ドイツととポーランドの間において、賠償請求しないという合意にが成立していますから、「ドイツ政府の立場は変わらず、賠償問題は解決している」として、交渉には応じない姿勢を示しました。

 ドイツの戦後処理は、東西に分断していたこともあり、ホロコースト被害者など個人への補償が中心で、対国家の賠償は不十分とも指摘されてきました。

 ポーランドは大戦中、総人口の約2割に当たる600万人が犠牲となり、首都ワルシャワも徹底的に破壊されました。
 しかし、社会主義体制下の1953年に旧東ドイツへの賠償を放棄しています。

 この手の話をするのなら、なぜ、ドイツに賠償請求をして、ロシアに賠償請求をしないのでしょう。
 ポーランドが受けた被害は、当時のソ連によるものが、ドイツによるものと負けず劣らず、大きなものでした。

 ドイツのワイツゼッカー元大統領の「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」と述べています。
 まさにドイツにとってブーメランで、ドイツの戦後補償のあいまいさが現在のヨーロッパ情勢につながっているといっても過言ではありません。

 ドイツは、ナチスの蛮行への謝罪と補償を行っただけで、通常の戦争犯罪に対してはほとんど触れてこなかったというドイツの現状を日本人はもっと知るべきでしょう。
TOPへ戻る