本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

レアアースの禁輸

 日中国交正常化50年です。

 中国が発展すれば民主化すると思って莫大な額の援助をしてきましたが、経済力・軍事力が強大となった上、独裁主義で、台湾の武力攻撃、沖縄県尖閣諸島の攻撃が視野に入ってきました。

 日本は、中国から政治目的でレアアースを禁輸されたことがあります。

 平成17年に、小泉純一郎日本首相の靖国神社参拝に反発して、中国で日本製品の不買運動が起こりました。
 日本でも反中デモが行われ、日本にある中国大使館をはじめとする様々な機関に火炎瓶が投げかけられ、銃器が配達される事件が相次いで起きまし。

 平成22年9月7日に、尖閣諸島で中国人船長が日本海上警察に逮捕される事件があり、中国からのレアアース輸出が分からない理由で遅れました。
 中国人船長逮捕への報復として受け止めた日本は、世界貿易機関(WTO)の協定違反だと抗議し、中国政府は環境保護のためのことなので違反ではないと応酬しました。
 レアアースの一部の鉱物は、日本経済の支えである先端自動車生産に不可欠な素材です。

 平成22年の中国によるレアアースの輸出規制は、日本が受けた被害の程度は、平成17年の日本製品不買運動とはそのレベルが違いました。
 しかし、日本人は冷静でした。
 右翼を中心に各地で反中デモが行われましたたが、暴力沙汰はありませんでした。
 中国大使館に向けた脅迫も一切ありませんでした。
 日本は、短期的にはレアアースの供給確保に最大の努力を傾けました。
 双日商事は平成22年11月、日本政府機構であるJOGMECと共同で2億5000万ドルを豪州のレアアースメーカー「ライナス」に出資しました。
 JOGMECの出資金は、経済産業省が発表した「レアアース総合対策」の予算1000億円の一部でした。
 レアアースを巡る紛争があったのが平成22年9月、経済産業省の対策発表が平成22年10月、「ライナス」への出資が平成22年11月に行われました。
 平成24年4月、日本の大企業・日立がレアアースを使用しない産業用モーターを開発しました。
 平成27年の経済産業省の報告書によりますと、レアアースの使用量削減のための技術開発は、中小企業を含む多数の企業で進められました。

 技術開発がこのように迅速に行われることができたのは、実はすでに平成19年から関連分野への投資があったからだといわれています。
 その一つが、文部科学省が平成19年に着手した「元素戦略プロジェクト」です。
 20以上の大学や企業が参加したこのプロジェクトで、代替材料の研究にかなりの成果がありましたし、平成22年以来、レアアースの代替材料の開発にその研究成果が応用されました。
  平成24年3月には、米国、EUと一緒に、中国のレアアース輸出規制をWTOに提訴し、平成26年8月、中国のレアアースの輸出規制はWTO協定違反という判決がでました。
 中国は、平成27年1月、レアアース輸出規制を全面撤廃しました。
 レアアースの紛争は結局、日本の勝利に終わったといえます。

 中国へのレアアースの依存度は、尖閣諸島での問題が発生した前年の平成21年の86%から、平成27年には55%まで低下していました。
 他方、中国のレアアース業界は平成26年に赤字を出しました。
 レアアースの価格が急落したためです。
 日本企業は、平成22年のショックを忘れず、今もレアアース需要を減らすための技術開発を続けています。
 平成30年2月、トヨタ自動車はレアアースの使用量を半分に減らした磁石の開発に成功しました。
 政府の支援政策は一貫して推進されています。

 なお、アメリカは、中国が覇権を握ることは許しません。
 もちろん、アメリカがNo.1であり続けるということももちろんですが、黄色人種の中国が、白人国家であるアメリカより強大になることは許さないでしょう。
 アメリカは本気です。
TOPへ戻る