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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

みずほ・三井住友「仕組み債」販売制限 顧客の損失懸念

 大手金融機関が、一見すると、利回りは高いものの、リスクの大きい金融商品「仕組み債」について、顧客への新規勧誘の停止に動き始めました。

 三井住友銀行と千葉銀行が販売を全面的に停止しました。
 みずほフィナンシャルグループ(FG)、横浜銀行、広島銀行は販売を一部停止する方針です。

 各社とも、退職金運用の高齢者や投資初心者など、デリバティブ投資に必要な十分な金融知識のない顧客への新規勧誘などを取りやめます。
 仕組み債は利回りが高いデリバティブの一種で、オプション取引やスワップ取引を組み込んでおり、大きな相場変動があった場合などに損失が膨らみやすい傾向にあります。
 デリバティブと知らずに購入した顧客とトラブルになるケースも多くあります。

 もともとプロ向けに開発された商品でしたが、最近では退職金の運用を検討する高齢者や証券口座を開設したばかりの個人なども購入させています。

 ロシアによるウクライナ侵攻や、米欧の利上げで金融環境が不安定になるなか、仕組み債のリスクが改めて問題視されていました。

 自主規制機関の「日本証券業協会」は、令和4年内にも仕組み債の販売ルールを改定します。
 販売対象を制限する方向で議論を進めていて、各社の動きはこのルール改定を先取りするものといえます。

 金融庁が「顧客本位の業務運営原則」を求めており、販売体制に問題がないか再点検を進めていきます。

 最初から、よほどの金融リテラシーのある人以外に、デリバティブが組み込まれた金融商品を売るべきではないでしょう。

 仕組債の本質的な問題は、以下の点にあります。
1 一見高い利回りと見合わない大きなリスク
2 高い実質手数料

 金融機関としては「1」の計算ができない人に、仕組債を売らないのが安全です。
 また、顧客としては、自分に理解できないような商品を購入しないのが賢明です。


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