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雑記帳

マドモワゼル

 平成24年(2012年)2月23日、フランスのフィヨン首相が、今後、フランスの行政文書に、未婚女性の敬称である「Mademoiselle」(マドモワゼル)を使用しないと発表したそうです。

 新たに印刷される書類から「Mademoiselle」は消去され、女性を示す性別(敬称)欄は「Madame」(マダム)で統一されることになるということです。

 男性は、既婚・未婚をとわず「Monsieur」(ムッシュ)なのに、女性だけ、既婚・未婚の区別をつけるというのは差別ということのようです。

 ドイツに追いついたということでしょうか。

 私がドイツに留学する前、男性の敬称は既婚・未婚をとわず「Herr」(ヘル)、既婚女性の敬称は「Frau」(フラウ)、未婚女性の敬称は「Fraeulein」(フロイライン)と習いましたが、現実には、既婚未婚をとわず、「Frau」を使っていました。
 幼児・児童はどうだったか記憶にありません。日本人留学生が使うシテュエーションはなかったですね。

 ドイツ(西ドイツ)内務大臣により、昭和47年(1972年)、公式文書に「Fraeulein」の敬称の使用が禁止されたそうです。
 既婚・未婚をとわず、女性の敬称が「Frau」に統一されたということになります。

 英語では、既婚女性の敬称は「Mrs」(ミセス)未婚女性は敬称である「Miss」(ミス)、男性は、既婚・未婚を問わず「Mr.」(ミスター)です。
 既婚・未婚をとわない女性の敬称として「Ms.」(ミズ)という単語が使用されていることは、ご存じのとおりです。

 日本語では、男女、既婚・未婚をとわず、敬称は「様」(文語)か、「さん」(口語)で区別はありません。医師や弁護士や大学教授なら、男女、既婚・未婚をとわず「先生」です。
 一番楽ですね。

 ちなみに、ドイツ語で、個人宛に手紙を書こうとすると、「Herrn」(男性の敬称の目的格)か「Frau」(女性敬称の目的格)かを使うことになります。

 ドイツ人は、名前から、男性か女性かわかるのでしょうが、日本人の名前を見て男性か女性かなどわかるはずはありません。

 「YOSHIKO」が女性、「YOSHIO」が男性、「YOSHKI」が男性とわかるのは日本人くらいでしょう。

 どうするかというと、わからなければ「Frau」を使用すれば間違いがないということになります。
 こちらからの文中に「Richter」(裁判官・男性)などの単語があれば男性とわかります。ちなみに、「Richterin」が(裁判官・女性)などの単語があれば女性とわかります。

 ただ「Richter」「Richterin」という単語があれば、「Herrn」「Frau」ではなく「Dr.」を使ってきます。「Dr.」にしておけば無難です。
 ドイツは「Dr.」にこだわるお国柄です。

 ということで、私宛に、女性ではないのに「Frau NISHINO」、博士でもないのに「Dr. NISHINO」という手紙が来ることがありました。
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