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雑記帳

節税保険の規制

 国税庁は、平成31年2月13日、生命保険各社に、いわゆる「節税保険」に対するルール改定の方針を通達しました。

 生命保険会社にとって「バレンタインショック」といわれています。

 国税庁および監督省庁である金融庁はこれに待ったをかけた形になりますが、節税に特化した商品を出す保険会社と、すぐ規制をかける国税庁や金融庁の「イタチごっこ」は続いています。

 節税保険とは、中小企業の経営者など自営業の人を対象にしたもので、まず比較的高額な保険料を支払い、自営業の利益を圧縮し、税率を軽減します。
 そして、数年経つと元本以上の返戻金がもらえます。
 それを退職金に充てることによってまた課税を回避するという建前の商品です。

 ただ、節税保険はたいした節税になるかどうか疑問です。
 たしかに、支払った保険料を損金算入するので一時的に法人税負担は減少します。
 しかし、返戻金が返ってくれば、たとえ退職金に充てたとしても税負担は増えます。

 加入期間中、保険会社は手数料を取りますから、無駄なお金を払って課税を繰延べているだけにすぎないともみられます。

 金融庁としては、生命保険会社による消費者の弱みに付け込む営業姿勢を危惧しています。

 近年、銀行や証券会社といった金融機関が、資産はありますが金融知識に乏しい高齢者に手数料の高い投資信託を販売して荒稼ぎを行っているという状況が社会問題化しています。

 多くの生命保険会社が節税保険の販売停止を決めたようです。
 国税庁の不興を買って、既契約に影響が及ぶような事態になることを、何としても避けたかったからといわれています。
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