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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

円安で「為替予約」2割増 企業がリスク管理

 円安ドル高の急激な進行を受け、一定期間後に行う決済時の為替を事前に予約する「為替予約」を申し込む企業が急増しています。

 各銀行への為替予約や関連取引の申し込みは増加していて、みずほ銀行では令和4年4月~9月の取扱件数が前年同期比で約2割増加しました。
 三菱UFJ銀行でも令和4年4月~9月の取扱件数が前年同期比で約2割、金額は約3割増加しました。
 三井住友銀行なども取引企業に積極的に提案しています。

 足元の相場は円安基調ですが、政府と日本銀行の為替介入で急激に円高に振れる場面もあり、各企業は慎重なリスク管理が必要となっています

 為替変動に影響を受けることなく、予約しておいた期日に一定のレートで通貨を交換できる制度が「為替予約」です。

 例えば「1カ月後に、1ドル=150円で1万ドル購入する」と契約した場合、仮に実際の1カ月後のレートが160円まで下落しても、下落幅とは関係なく予約時の150円で取引することが可能となります。

 ただ、一方、一度予約すると基本的にキャンセルができないため、安易な予約は命取りにもなりかねません。
 ある大手行担当者は「円安基調は続いているが、令和4年6月ごろまでにドルを売り切ってしまった企業が多い」と収益を取り逃してしまった例もあると指摘しています。
 また、為替予約でドル買いが集中すれば、全体としてドル高円安基調に拍車がかかる懸念もあります。

 海外の子会社から資金を調達するなど、外貨獲得手段は為替以外にもありますから、かならずしも、さまざまなリスク管理方法を考えることが重要です。


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