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雑記帳

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定期つき終身保険

 一般個人が主として加入している生命保険に「定期つき終身保険」「定期つき養老保険」があります。
 ここでいう、「定期保険」は、いわゆる「かけ捨て」の保険であり、一定の保障額を得るために必要な保険料は、当然廉価となります。
 また「終身保険」「養老保険」は、貯蓄性が高い保険であり、定期保険と比べて保険料は高額となります。

 なお、「終身保険」と「養老保険」との違いは、「養老保険」は、保険期間中の途中で死亡・高度障害になった時と、保険期間満了まで生存した時に、死亡保険金同等額を満期保険金として受取るという比較的貯蓄性の高い保険で、また「終身保険」は、単純化すると、男性の場合、106歳で死亡する計算でつくられた養老保険のようなもので、「終身保険」と「養老保険」いずれも貯蓄性の高い保険であるという点では、かけ捨ての「定期保険」と対照的ですので、便宜、ひとくくりにして述べます。

 「定期つき終身保険」「定期つき養老保険」には、ある意味、合理性があります。
 「終身保険」「養老保険」で自分自身が一生必要とする保障を準備すると同時に、「定期保険部分」で、子どもが独立するまでの一番お金が必要な期間の保障を比較的廉価に準備することができます。
 ある男性サラリーマンが、結婚し、子供が2人生まれ、マンションを住宅ローンで購入したという典型的な場合を考えてみます。
 自分に万一のことがあった場合、マンションのローンは団体信用保険で「0」になりますが、子供の卒業まで「あて」にしていた、自分の収入がなくなり、妻子の生活費、子供の教育費が不足します。
 これを、かけ捨てで保証の大きい「定期保険」で補います。
 そして、年齢を重ねるにつれ、生命保険による保障が必要な額は、年々小さくなります。
 22歳で大学を卒業させるまでの費用を負担するものとして、子供が1年1年成長するにつれて必要な保障額が減少し、末子が大学を卒業したときに、教育に必要な保障額は「0」になります。
 一般的に「定期保険部分」の終了時期を末子が大学を卒業する年齢ころにあわせ、卒業すると同時に保障が「減額」されるように設計されることが多いです。
 ただ、通常は、まだ定年にはなっていません。ここで「定期保険部分」を「0」にしたのでは、残された妻の生活が不安です。
 定年を迎え、しばらく再就職し、年金を受け取れる65歳くらいで、「定期保険部分」が「0」になり、「終身保険」「養老保険」のみが残ります。
 自分の葬式代くらいは、「終身保険」「養老保険」で十分まかなえます。

 というふうに、合理的な商品なのですが、保険外交員の説明不足、あるいは、加入者の知識不足からトラブル・苦情が少なくありません。

 よくあるトラブルとしては、定期保険特約についての説明・理解がしっかりとなされておらず、契約者は一生涯大きな保障が得られると思いこんでいることがあります。
 本来は、「一生涯大きな保障」など必要はないのですが、自分自身が死亡した場合は、何歳で死亡しても「定期保険金」分の生命保険がおりると思いこみ、それに見合う「保険料」を支払っていた「つもり」だったという不満です。
 契約者が「解約返戻金」が少ないことに気づくか、あるいは、契約者が死んだ場合、妻が不満を持つことにより、トラブルが生じます。

 全部が「終身保険」「養老保険」の場合、解約返戻金はそこそこの額になるのですが、「定期つき終身保険」「定期つき養老保険」はそうとは限りません。
 例えば、保険金額5000万円の定期付終身保険における内訳が、主契約の「終身保険」「養老保険」部分が500万円、定期保険部分が4500万円とすると、中途解約した場合、解約返戻金が受取れるのは、「終身保険」「養老保険」にかかる部分500万円に関する部分のみです。
 「定期保険」は、いわゆる「かけ捨て」の保険ですから、解約返戻金はありません。

 保険契約するときは、例えば、5000万円に該当する部分の保障があり、なおかつ、5000万円全額の終身保険がついていて、解約返戻金も、それなりにあると「皮算用」し、それなら、保険料は、比較的低廉であると計算して契約しているのですから「たまったものではない」と思うのも無理はありません。

 毎月支払う保険料のうち、「終身保険」「養老保険」の部分はごくわずか、大半が「かけ捨て」の「定期保険」に充てられていたということに、歳をとってから気づくというパターンが多いのです。
 しかし、保険証書に書いてあるのが、冷厳な事実なのです。

 その昔、知り合いの弁護士さん(50歳をこえています)が、そのような勘違いをしていたことを知ったと憤慨していました。
 弁護士でさえそうですから、一般の方がそう思うのも無理はありません。
 生保レディーは、保険契約候補者の「錯覚」を利用している面もあります。
 しかし、パンフレット・契約書には、その点「明確に」記載されています。グラフを使った「目論見書」を見れば、誰が見ても明白です。
 保険契約候補者は「パンフレット」「契約書」すら、読んでおらず「その場の雰囲気で」契約してしまいます。
 保険は「セットはお得」というわけではなく(ハンバーガーなど他のファストフードも同じです)、「ばら掛け」が得です。余分なものを買わされずにすむからです。
 「ばら掛け」するには、何が必要で、何がさほど必要でないかを判断するだけの、それ相応の知識は必要ですが・・


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