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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

外国為替資金特別会計

 急激なドル高円安で、為替介入がなされました。

 外国為替資金特別会計という特別会計で運用されています。
 財務省所管で、為替介入に用いる外貨資産を管理しています。
 令和4年9月末時点で1兆2380億ドルです。
 このうち、このうち1兆ドル近くがアメリカ国債などの証券、残りが外国の中央銀行への預金などです。

 平成3年度以降累計で約80兆円行われた円売り介入は、大半が120円より円高(ドル安)局面で行われたもので、それによって取得した外貨(ドル)は75円~120円程度で購入したということが考えられます。
 ドルの平均取得コストは100円程度との試算もあります。

 100円で購入したドルなどの外貨が1兆2000億ドル以上あり、それが今回の歴史的な円安で140円以上と4割以上も上昇したわけですから、大雑把にみても為替相場の値上がりによる含み益は40兆円弱に拡大(ドルが全てではないですから、ある程度減るでしょう。30兆円半ばともいわれています)している可能性があります。

 財務省が実施した今回の為替介入は、令和8月30日から9月28日の2兆8382億円、令和9月29日から10月27日の6兆3499億円で、合計9兆1881億円です。

 米ドル売りの為替介入は「含み益」の実現化ということになるでしょう。
 個人投資家なら「利益確定のドル売り」ですね。
 2兆8382億円が1ドル145円前後の時、9兆1881億円が1ドル151円前後の時になります。

 もちろん、今回の米ドル売り・円買い介入の目的は、行き過ぎた米ドル高・円安に歯止めをかけることであり、為替含み益の実現が主な目的というわけではないでしょう。為替含み益実現化は、あくまで円安阻止政策の副次的成果になります。

 ドル高円安で、玉木国民民主党の玉木代表が「為替介入で、外国為替資金特別会計はウハウハ」ということになります。

 利益確定のドル売りによる余剰は、外国為替資金特別会計の利益(剰余金)となります。
 剰余金の一部は一般会計に繰入れる扱いになっています。

 ただ、日本のような対外純資産世界一の国が、1兆2000億円余という大きな額の外貨資産を持つ必要があるかどうかは疑問です。
 「思い切り介入してやるぞ」と思われても嫌ですね。


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