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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

JR西日本 値上げの増収効果110億円超

 JR西日本は、令和5年4月から相次いで各種特急料金などの引き上げに踏切ります。
 JR西日本が令和5年4月から実施する特急料金などの引き上げによる増収効果が110億円以上であることがわかりました。
 ただ、在宅勤務の定着などで鉄道需要は新型コロナウイルス禍前には戻らない見通しで、鉄道事業の利益水準を回復させるためには、さらなる費用削減が必要になります。

 鉄道を使う際に鉄道会社に支払われる対価は、距離に応じて決まる「運賃」と特急券などサービスに応じて加算される「料金」で構成されています。
 運賃は決められた上限の範囲内であれば自由に設定できます。
 JR西日本が令和5年4月から実施するのは上限に比べて割安だった運賃などの見直しが中心です。

 運賃では、私鉄に対抗して安く設定している主要区間を10~40円引き上げます。
 近畿圏の主要路線では、増収分をバリアフリー投資にあてる国土交通省の制度も活用してさらに10円上げる方針です。
 例えば、神戸・大阪間は計50円増の460円になります。

 令和5年4月には、京阪神の乗客が多いエリアで3つに分かれていた運賃体系をひとつにまとめ、変動運賃などを導入しやすくします。
 大阪環状線などは値上げになり、郊外の宝塚線の一部などでは値下げになる可能性があるり、全体の収入は変わらないようにする。

 京阪神地区では、ピーク時以外の時間のみ使える定期を割安で販売し、全時間帯使える定期を割高に設定して利用の平準化を図る「オフピーク定期券」の導入を検討します。
 増収にはつながりませんが、混雑を緩和させることでピーク時に合わせて用意する人員などを減らせるため、長期的な費用削減につながります。

 コロナ禍前、JR西日本の業績は増収傾向が続いいてました。
 平成31年3月期にはほぼ鉄道事業の結果を示す単独決算で売上高は9809億円、純利益は806億円を計上していまし。
 その後、業績は一転して悪化。人流の回復などに伴って、令和5年3月期は単独の最終損益が480億円の黒字(令和4年3月期は1216億円の赤字)と3年ぶりに最終赤字を脱却する予想です。

 JR西日本は今後、鉄道需要はコロナ禍前の9割程度にしか戻らないとみています。
 単純計算でコロナ禍前の単独売上高の900億円規模が戻らない可能性があります。

 売上げの回復が難しいなか、JR西は利益確保のためコスト削減を進めている。ダイヤ改正による減便のほか、採用抑制や有人の「みどりの窓口」の閉鎖を進めています。
 こうした構造改革で令和5年3月期にはコロナ禍前比で200億円の費用を減らせる見込みです。


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