本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

EU、ガス輸入拡大で調印 ロシア依存脱却、アゼルバイジャンと

 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、令和4年7月18日、アゼルバイジャンの首都バクーでアリエフ大統領と会談し、ロシア産天然ガス依存脱却に向け、アゼルバイジャンからの天然ガスの輸入を大幅に増やすことを盛り込んだ覚書に調印しました。

 欧州委員会によると、「南部ガス回廊」と呼ばれるカスピ海から欧州へのガス供給ルートによる年間輸入量を、2027年までに少なくとも200億立方メートルへと倍増させることを目指すとされています。
 天然ガスの輸入をロシアに依存してきたEUは、ウクライナ侵攻を受け、依存脱却のため調達先の多様化を急いでいます。

 令和2年11月に、アゼルバイジャン産天然ガスの欧州向け3420kmのパイプラインによる輸出が開始されました。
 パイプラインのガス輸送能力は年間160億m3、うち60億m3がトルコ向け、100億m3欧州向けとされ、将来欧州へ200億m3㎥まで拡張可能な設計となっています。

 欧州への100億m3の天然ガス供給は、欧州全体の需要量の2%余りと決して多くはありませんが、欧州の天然ガス供給源の多様化、とりわけロシアへの依存を軽減するという点で、エネルギー安全保障上の意味合いは大きく、欧州にとっての資源国アゼルバイジャンの重要性がさらに高まったと考えられます。

 ちなみに、アゼルバイジャンは、アジアとヨーロッパの境界線上にあります。
 北はロシア、南はイラン、西はアルメニア、東はカスピ海に面しています。
 人口は1000万人で、面積は北海道よりやや大きいぐらいです。

 令和2年にコーカサス地方のアゼルバイジャンとアルメニアの係争地となっているアルツァフ共和国(ナゴルノ・カラバフ共和国)を巡る軍事衝突のナゴルノ・カラバフ紛争にて、アルメニアに勝利しました。
 パイプラインは、紛争地域付近をとおっていますから、欧州連合はアゼルバイジャンの味方にならざるを得ません。

 アゼルバイジャンは、歴史的にアラブやペルシャの支配下だったことから95%がイスラム教ですが、服装も自由で、女性が解放感のある恰好でお洒落を楽しんでいます。
 宗教について、とても寛容的な国だといえるでしょう。
 公用語はアゼルバイジャン語で、トルコ語やトルクメン語に近いです。
 一時期旧ソ連の構成国だったため、ロシア語も浸透しています。アゼルバイジャン語はラテン文字でキリル文字ではありません。

 ちなみに、アゼルバイジャンは「大の」「親日国家」です。


TOPへ戻る