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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

消せるボールペン

 「消せるボールペン」というのがあります。

 ボールペンなのですが、ボールペンのインクが65度以上になると消える特殊なインクを使用しています。

 ボールペンの先に付いている消しゴムのような物で擦ると摩擦によって温度が上昇し、摩擦熱で、インクが消えます。
 ドライヤーで65度以上に熱しても消す事が可能です。

 これまでの万年筆やボールペンは消せない事による信頼感がありました。
 それが覆るわけですね。

 一見便利に見えます。

 ただ、少なくとも、私の法律事務所では絶対使いません。
 また、裁判所は、消せるボールペンの使用は禁止です。

 自分が消せるということは、消せるボールペンで書かれているということを知っている人なら、誰でも消せるということです。
 消されて改ざんされたらアウトですね。

 法律事務所の文書は、普通はワープロですから、改ざんできません。

 定型用紙に記入されることが求められ、記入欄がたくさんあるけれども、訂正印を押すのは嫌という場合、間違うたびに最初から書き直しが面倒というなら、用紙に鉛筆書きをし、間違いないことを確認し、それをコピーして原本とすればいいだけの話です。

 ちなみに、「消せるボールペン」を使っていると疑っている例があります。

 ユーレイルパスというのがありますね。
 域外の外国人が、一定期間、鉄道に乗り放題というパスです。

 一定の期間(「○年○月○日」から「○年○月○日」まで15日間)というタイプがあります。
 「○年○月○日」というところは、現地の駅員さんに記載してもらわないとアウトです。
 自分で書いてはいけません。

 フレキシーパスという種類があります。
 「○年○月○日」から「○年○月○日」の有効期間内に○日間使えるというタイプです。
 1都市に、2、3日滞在するのが普通で、毎日電車に乗って移動しているわけではありませんから、むしろ、フレキシーパスが、むしろ原則かも知れません。
 使用者が日付を書き込みます。

 これは、鉛筆や「消せるボールペン」を使用してはならないと記載されています。
 発覚すれば、即、没収となります。

 改札に来た車掌は、乗車日と記載された日付があっているかどうかを確認するとともに、書き込んまれた日付欄にパンチを入れていきます。次の車掌は、パンチが入っていれば、確認するだけでパンチは入れません。

 「消せるボールペン」を使用して、消したうえで、別の日を記載されたらかなわないということです。

 日付欄にパンチが入っていれば、日付を消したことがわかります。

 もっとも、ヨーロッパの車掌は、日本の車掌ほど器用ではありませんし(5本の指が、すべて親指ではないかと思う人もいます)、列車がゆれたりして、次の日の欄にまたがって(下手をすると次の日に)パンチを入れられることがあります。

 車掌が「大丈夫」(Keine Sorge)というのですが、心配ですね。
 もっとも、次の利用日の車掌は、パンチの数を計算しているようですから、問題ないようです。
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