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雑記帳

メルケルドイツ首相の後継者争い

 令和31年1月16日、ドイツの最大与党、キリスト教民主同盟(CDU)は、新党首を選出します。

 現在は、メルケル首相から禅譲を受けたアンネグレート・クランプ=カレンバウアー(Annegret Kramp-Karrenbauer)国防大臣が党首ですが、能力不足と不人気のため、CDU党首選には出馬しません。

 党首選は、保守派のメルツ元院内総務、最大州ノルトライン・ウェストファーレン州首相を務める中道派のラシェット副党首、外交政策通のレトゲン元環境相による三つどもえの争いになっています。

 新党首は、在任16年により令和3年引退するメルケル首相の後継となる公算が大きいです。

 最近の世論調査による支持率で、3氏とも、立候補を表明していないシュパーン保健相に大きく引き離されています。

 シュパーン保健相は、ラシェット副党首とペアを組み副党首候補として出馬すると表明しています。
 コロナ禍でドイツの危機対応を指揮する立場になる前のことでした。
 シュパーン保健相は新型コロナウイルス危機への対応で一躍脚光を浴び、支持率が急上昇しました。
 党首に推す声も大きいのですが、首を縦に振りません。

 シュパーン氏が出馬を固辞する場合、与党内で人気の高いもう1人の実力者というシナリオが浮上します。

 南部バイエルン州を地盤とする姉妹政党、キリスト教社会同盟(CSU)のゼーダー党首です。

 両党は年明け早々、総選挙で擁立する首相候補を決めるために協議します。通常は規模がはるかに大きいCDUの党首が首相候補になります。

 コロナ禍の中でゼーダー氏は支持率を高め、ラシェット、メルツ、レトゲンの3氏を大きく超えています。
 公共放送ZDFによる調査では、58%の人がCDU・CSUの首相としてゼーダー氏が思い浮かぶと答えています。
 これに意を強くして、同氏は名乗りを上げるかもしれません。

 CDUのショイブレ連邦議会議長(元財務相)が「CDU・CSUの首相候補はCSUから出るかもしれない」とフランクフルター・アルゲマイネ紙に語りました。

 これまでに2度、CDU/CSUの会派から、CSUが候補となった前例があります。
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