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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

新型コロナと「パルスオキシメーター」

 新型コロナウイルスの感染管理や治療で、体内への酸素の取込みが正常化否かを数値化できるパルスオキシメーターが注目されています。

 新型コロナの感染者が急増し、無症状や軽症の人が自宅療養したり、入院まで、ホテルなどの施設での待機か自宅待機せざるを得ない状況も多く出てきています。

 その結果、自宅で症状が急変し、悪化して亡くなる人も相次いでいることで、東京都などの自治体がパルスオキシメーターを配る動きが出てきました。

 パルスオキシメーターは、指先を挟んで血中の血中の酸素濃度である酸素飽和度(SpO2)を測定する簡便な機器です。
 この機器は、血液中の酸素の割合(赤血球のヘモグロビンに酸素が、どれくらい、ついているか)を特に針などを刺すことなく皮膚の上から測ります。

 パルスオキシメーターができるまでは、血ガスを採取して、酸素濃度である酸素飽和度(PaO2)を測定する必要がありました。

 赤血球のヘモグロビン100個に全て酸素がくっついていれば割合は100%で、健康な人は97%から99%くらいの値になります。

 90%以下では呼吸不全で酸素吸入などの治療が必要な状態になります。
 酸素吸入は、口に酸素マスクを当てて、酸素ボンベなどから呼吸をするという治療法です。人工呼吸とは異なりますので、念のため。

 新型コロナでは急激な重症化や死亡リスクと酸素飽和度の低下に関連があるとされ、厚生労働省も令和2年4月の各自治体衛生主管部宛の事務連絡で、症状の軽い感染者の宿泊療養施設に適切な数のパルスオキシメーターを備え付けることの重要さを通知しています。

 新型コロナの症状では、少しずつ呼吸器の機能不全が起き、血液中の酸素濃度がじわじわと低くなっていくことがあり、患者はその変化に気づきにくいことになります。そのため「サイレントな」とか「幸福な」低酸素血症というような状態になり、病状が急変して救急治療が間に合わないという事態になりかねません。

 新型コロナが急変するというのは、本来は、血液中の酸素濃度が低くなれば、息苦しいという症状が出るにもかかわらず、新型コロナの場合、血液中の酸素濃度が低くなっても、あまり息苦しくならず、息苦しくなったときは、すでに症状は進んでいるということを意味します。

 なお、新型コロナが急変するもう一つの場合は、新型コロナの場合、血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を惹起するというもので、羽田元参議院議員の場合が該当します。この場合、血液中の酸素濃度が低くなっているわけではありません。

 自宅で療養したり待機している人や家族が、このパルスオキシメーターを使って、患者の酸素濃度の低下を知ることができれば、その数値の変化によって症状の急変や重症化の予兆を察知できます。

 そうすれば、本人や家族が救急車を呼んだり保健所に連絡することができ、適切な措置を受けられる可能性があるというわけです。

 ちなみに、私は、令和2年2月に、医療機器でない簡易なパルスオキシメーターを購入し、体温のように毎日計測するわけではありませんが、時々、計測しています。

 購入したのは、購入当時、PCR検査が4日間の発熱を必要とするなど、PCR検査が容易でなかったからです。
 高熱が出て、パルスオキシメーターで酸素飽和度(SpO2)が90%を割っていれば、PCR検査を優先的に受けさせてくれるのではないかと期待したためです。

 当時は品薄のため6000円程度しましたが、今なら、1000円か2000円で購入できるかも知れない程度のものです。

 幸い、私の購入したパルスオキシメーターは、現時点では活躍はしていません。
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