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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

土葬と火葬

 コロナ禍で、ニュースになりませんが、ヨーロッパにシリア等の難民が流れています。

 日本が、これまでに難民として認定したシリア人はいることにはいます。

 UNHCR駐日事務所は「日本を含む各国に受け入れを求めており、連帯をお願いしたい。シリア難民はかつてない規模で増え、周辺国だけではまかないきれない」と、日本に協力を訴えています。

 日本は遠いですし、海にかこまれていますから、陸路ではだめ、海路もボートなどではだめで、飛行機でくる難民というのは考えにくいですね。


 宗教的な問題もあります。

イスラム教における遺体の葬り方は、原則として「土葬」です。

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教すべてですが、死者は最後の審判の後に肉体を持って復活するという教義があります。

 肉体を持って復活するのですから、その器たる肉体を完全に消滅させてしまう火葬は、いわば復活の阻止にあたります。

 また、イスラム教における「地獄」は燃え盛る火炎のイメージが強く、火葬という行為は死者に地獄の苦しみを与える仕打ちですし、イスラム教徒に対して、遺体を火葬にするというのは最大の侮辱となりえます。

 平成25年11月15日、宮内庁は、天皇、皇后両陛下が、両陛下のご希望により、土葬から火葬に変更すると発表しました。

 法律上は、土葬でも火葬でもかまいません。

 土葬が禁じられている条例を持つ自治体は、東京都、大阪府、名古屋市等です。

 もっとも、東日本大震災の時は、身元確認が困難な遺体があり、また、火葬場が被災し、火葬ができないという事情で、土葬になったということもあります。


 話を戻して、日本で土葬可能な墓地というのは少なく、日本在住のイスラム教徒の方は大変なようです。

 日本人は、簡単に改宗しますが、イスラム教徒の場合は、簡単ではないようです。

 シリア難民の場合、日本に難民として認められ、日本に居住しようとすると、改宗覚悟でないと難しいですね。
 あと、日本語の壁(英語が通じない。漢字が読めなければ、まともな仕事はない)もあり、シリア難民は、日本になど来たくもないでしょう。


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