本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

UAE探査船が火星軌道進入に成功

 アラブ首長国連邦(UAE)の宇宙探査船「アル・アマル」(アラビア語手「希望」)が、
令和3年2月10日午前0時57分(日本時間)、火星の軌道に進入することに成功しました。

 UAEは先進国の独壇場だった宇宙開発競争に参加しました。

 「アル・アマル」は、令和2年7月19日、種子島宇宙センターから、H2ロケットで打上げられ、時速12万1000キロメートルの速度で4億9350万キロメートルの距離を7カ月かけて飛行し、火星の軌道に入りました。

 軌道に入るために時速を1万8000キロメートルまで落とし、自己補正システムを稼働し、突発事態に備えるなど、全ての過程が探査機の内部システムで行われました。
 地球と信号をやりとりするのに22分もかかりますから、地球からの遠隔操作が不可能だからです。

 軌道進入成功の信号が届くと、エミレーツ火星探査プロジェクトの総責任者、オムラン・シャラフ氏は「UAEが火星への到達に成功した」と宣言した。UAEのムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領は「きょうアラブ科学史の新たな舞台が開かれた」とツイートしました。

 探査機は、UAEの建国50周年を記念して打ち上げられるものであり、科学目的としては、火星大気の観測を主な目的としています。
 火星大気の上層部と下層部とでどのような相互作用が起きているのかといった内容の観測を行います。

 そして、火星全体での大気や気候変動をモデル化し、現在は希薄となった火星の大気がこれまでどのように失われていったのか、そういった謎を解き明かすことを目指す探査機です。

 つまり、火星表面近くに存在している水分や、氷の雲、砂嵐、わずかな二酸化炭素の大気と、火星上層部において酸素や水素が失われていった事の関連・相互作用を調べます。

 ちなみに、日本は、平成10年に、宇宙科学研究所が火星探査機「PNALET-B/のぞみ」を打ち上げましたが、は残念ながら火星周回軌道へ到達することが叶いませんでした。

 UAEの探査船が、十分活動できることを祈りましょう。


TOPへ戻る