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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

三角関数

 森元首相の発言は、大騒ぎでしたね。

 少し古い話ですが、鹿児島県の知事が、県教育委員らが参加した会議で「女性委員に怒られるけど」と前置きした上で「高校教育で女子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」と発言し、定例記者会見で、「自分自身も使ったことがないよねという意味。口が滑った」と述べて訂正しました。

 「女子」と特定したのが悪いのですね。男女差別発言です。
 「高校教育でサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」と言えば、さほど、問題はありませんでした。
 男女問わず、社会に出て、三角関数を使うことは、あまりないと思います。

 この手の話は、大学の法律の講義の笑い話でもあります。
 某大学法学部の先生が、某女子短大に出張講義をして「『相殺』の読み方と意味を述べよ」という問題を出したところ、回答に、読みは「あいごろし」、意味は「お互いに殺し合うこと。つまり『心中』」という答えがあったという類いです。

 「女子短大」と特定したのが悪いのですね。男女差別発言ですし、学歴差別発言です。
 男女問わず、わからない人はわかりません。短大でも、四大でも同じく、わからない人はわかりません。

 ただ「相殺」を「そうさつ」と読む人が結構います。「減殺」も「げんさつ」と読む人がいます。
 「殺」という漢字は、「さつ」(漢音)=「ころす」(例えば「殺人」)、「さつ」(漢音)=「そぎとる」(例えば「殺風景」)、「さい」(呉音)=「へらす」(例えば「相殺」「減殺」)と3つの意味があるということを知っている人は多くありません。
 ちなみに「遺留分減殺請求」は、相続法改正により「遺留分侵害額請求」になりました。

 法律家が、三角関数を自ら使うということは多くないと思います。
 鑑定書に記載されているのを見ることがあるだけという人が大多数でしょう。
 私も、大多数の人と同じです。

 ただ、微分積分は交通事故のときに知っていた方が有利ですし、確率は、事件だけでなく、生きていく上で知っていた方がよさそうです。


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