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雑記帳

北京五輪、アメリカで開催地変更やボイコット求める動き 議会で決議案

 ポンペオ・アメリカ米前国務長官は令和3年2月16日、FOXニュースの番組に出演し、令和4年2月に開催予定の北京冬季五輪に関し、中国共産党体制が新疆ウイグル自治区でウイグル族などのイスラム教徒少数民族の「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に関与しているとして、開催地を変更すべきだと訴えました。

 ポンペオ氏は、ヒトラー率いるナチス・ドイツが1936年に主催したベルリン五輪を引き合いに出し、「中国にプロパガンダ(政治宣伝)上の勝利を許してはならない」と述べる一方、国際舞台での活躍を目指す選手たちのことを考慮し、「別の場所で開催すべきだ」と呼びかけました。

 また、ポンペオ氏は「(開催まで)まだ1年近くある。主催したい国で、五輪の理想を真の意味で掲げる国はあるはずだ」とし、国際オリンピック委員会(IOC)に加えバイデン政権に対して開催地変更に前向きに取組むよう求めた。

 一方、共和党のウォルツ下院議員(フロリダ州選出)は令和3年2月15日、IOCが北京に代わる開催地を見つけられなかった場合、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会が北京五輪をボイコットするよう求める決議案を下院に提出しました。

 決議案は、ウイグル自治区での人権抑圧に加え、中国当局による香港での民主派弾圧や新型コロナウイルス感染の情報隠蔽なども非難するとともに、また、他の参加国にもボイコットを求め、可決された場合はブリンケン国務長官に決議を各国に送付するよう要請しました。

 アメリカでは、トランプ政権の最終日だった令和3年1月19日、当時のポンペオ国務長官が、中国の新疆ウイグル自治区におけるイスラム教徒少数民族への「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を認定しています。
 バイデン政権もその姿勢を変えていない。
 そんな場所でのオリンピック開催は、明らかにオリンピックの精神、理想に反するといえます。

 ジェノサイドとオリンピックと言えば、真っ先に1936年のベルリン大会が想起されますね。
 ヒトラーのナチス政権下でのこのオリンピックは、国威発揚とプロパガンダに利用されたことで知られ、その後のホロコーストの発覚が、欧州では苦い歴史として残っています。

 すでに昨年から、世界各地の160以上の人権団体が、IOC(国際オリンピック委員会)に北京開催の見直しを求める共同書簡を送っているとされ、イギリス、カナダ、オーストラリアでも政治家がボイコットについて言及しています。

 アメリカ上院では令和3年1月22日に、共和党の7議員が開催地変更を求める決議案を提出しました。
 下院でも令和3年2月15日に共和党議員が、IOCが北京に代わる開催地を見つけられないのなら、アメリカはボイコットするよう求める決議案を提出するなど、開幕まで1年に迫ったこの時期にその流れは加速しています。

 日本は、東京オリンピックを開催しなければなりませんから、現在のところ、北京オリンピックのボイコットは言い出せません。
 ただ、東京オリンピックが終了し、欧米諸国が、中国のウイグル族に対するジェノサイドを理由にオリンピックをボイコットした場合、同調する必要があるかも知れません。

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