本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

単身者の年金

 その昔、走行中の新幹線内で、焼身自殺をした71歳の男性高齢者がいました。
 刑事事件としては、被疑者死亡のために誰も起訴はされません。

 民事事件としては、きょうだいの方がおられるようですが、すべて相続放棄をするでしょう。きょうだいの方が既になくなられていたら、甥や姪が相続放棄をします。
 いかに「がめつい」といわれるJR東海も、手の打ちようがありません。
 損害は、すべてJR東海が負担します。

 なお、巻き添えをくった53歳の女性会社員の遺族には「犯罪被害給付制度」で補償がなされますが、3000万円程度ですね。
 同じように、それ以上は求められません。

 犯人は、71歳の一人暮らしの高齢者で、「年金が少なく生活できない」ともらしていたそうです。
 公共交通機関、また、よりによって新幹線を死に場所に選び、何の関係もない人を巻き添えにしたその行為は正当化されるものではありません。

 もっとも、貧困にあえぎ、孤立する老人の姿は他人事ではありません。

 自殺した林崎春生容疑者=東京都杉並区=は年金を受給しながらも生活苦を周囲に訴えていました。

 今まで捜査しても、何も出ないのであれば、おそらく、生活苦が自殺原因でしょう。
神奈川県警は、自殺と生活状況との関連について調べています。

 林崎容疑者は、昨年、高齢を理由に清掃会社を辞め、年金を受給するようになりました。

 しかし「月の年金が約12万円で、約4万円の家賃と税金や光熱費を払うと手元にわずかしか残らない」などと受給額に不満を漏らしていたそうです。役所で「年寄りは早く死ねということか」と職員に詰め寄ったこともあったそうです。
 1年ほど前には「生活が苦しいので家賃を安くしてほしい」と言っていたそうです。

 単身者の厚生年金(基礎年金含む)12万円は安い方でしょう。
 しかし、それほど安くもありません。

 令和元年度のモデルケースでは、夫婦2人で計22万1277円です。
 2000万円くらいはたりないでしょうね。

 夫が平均標準報酬月額36万円(平均標準報酬月額最高は62万円)で40年間就業し、妻がその期間全て専業主婦であった世帯の新規裁定の給付水準です。

 65歳からも働けばいいだけの話です。健康を大切にしましょう。


TOPへ戻る